描写の軽やかさ巧みさに、いつも唸ってしまいます。部屋で読んでいるはずが、読み始めるとスッと頭の中に喫茶店の描写が入ってきて、自分もそこに座っている気がしてしまいます。読み終わると、ふっと喫茶店が目の前から消えて、(あ、私は今部屋に居るんだった)と、普通に思ってしまうのです。そしてもう一度、あの喫茶店に行ってみたいなと考えてしまいます。それほど日常をくっきりと切り取り、貴方の目の前に広げてくれます。この短編だけでなく、ぜひ他の作品も御一読をばっ。