第5話 鍛錬の日々

いや、もうあの世界とは比べちゃダメだ、前を向こう。

俺は質問した。


「国公立剣術魔術学園って、どんな人達が集まる場所なの?」


「ああ、通称ラースリックって言われていて、

王国の至る所から優秀な人材が集まる場所だ。未来を担う者が集まり、貴族も当然。王国で一番難関だと思われてるな。卒業すれば冒険者や医師などなんでも行けるだろう。」


「それって僕は大丈夫なの?入れる?」


「ハリスはもう問題ない。俺が保証する。そして、あと稽古はあと三年でお終いとする」


あと三年か。いざ終わるとなると名残惜しくなる。

小さい時からバシッと鍛えられて来たからな。

あれはあれで楽しかったな、今までに味わったことがない感覚だった。


親子の絆というのは本当はこういうものなんだと。


「終わるからには、少しキツめにするからな。そして、稽古と並行して、魔術も学んでおけ。小さい時に分厚い茶色い本を渡しただろう?あの本で学ぶんだ。」


「わかった。終わるからには僕も、より集中するよ!」


「キツめの稽古は明日からだ。今日は体を休めながら、魔術を学んでおくんだ。」


「分かったよ。父さん、ありがとう。」


よし、少しは魔術の勉強に集中できるな。

まだ知らないことも山ほどあるし。


俺は自分の部屋に戻り、机の椅子に座り魔術を学ぶようにした。

そして、稽古の隙間時間を使って毎日村外れの森で魔術を鍛錬することにした。


国公立剣術魔術学園の受験まであと三年だ。


父さん曰く、この世界の受験は実技試験が大きく影響するらしい。


主に2つの項目がある。


1つ目は、剣術試験。

試験官とやり、試験官に合格と言われるまで続ける。

体力と即時判断力と剣術能力が試されるだろう。


2つ目は、魔術試験

結晶で体内のマナを計らされる。特定の数字を超えれば良し。

その後、そのマナでスキルを利用しコントロールできるかを試される。コントロール出来なければ、合格は遠ざかる

つまりは、マナとコントロールする能力がなければならない。

スキルはなんでもよし。


正直いって、王国で一番難関なため、魔術試験は、

しょぼいスキルだと評価は低くなるだろう。

従って、反対は扱うのが難しいスキルを見せれば評価は高くなる。

剣術試験は、試験官も攻撃を仕掛けてくるため、攻撃を交わすかガードして、挑まなければならない。

いわば、模擬戦だ。


その試験官は、名が知れた人物らしくて、一発一発が重いという。

そのために、父さんとの稽古は欠かせない。


俺はある日、ネイに聞いた。


「ネイは、三年後の受験はどこにするの?」


「……ああ、僕は国公立剣術魔術学園に行こうと思う。僕、こう見えて毎日独学で剣術と魔術を学んでいるんだ。父さんと母さんは普通の平民と違って稀にマナが多く生まれたから、もしかしたらって勧めてくれたのがきっかけなんだ。」


「……驚いたよ!一緒だね!僕も同じ国公立剣術魔術学園を受験するんだ!お互い頑張ろうね!」


「そうだったんだ!ああ、お互い頑張ろう。」


「……ネイ!良かったら剣術の練習一緒にやらない?父さんと一緒に長く稽古やってるから少しでも手伝えたらなって。」


「いいの?」


「いいさ。」


「僕は魔術は本を見ればある程度はわかるんだけど、剣術ってなると難しくて。」


「なるほどね、ちょうど良かったよ。」


「剣術の練習よろしくね、ハリス。」


こうして、ネイとハリスは村外れの森でお互いに切磋琢磨し合いながら成長した。


「ネイ!凄いね、覚えるのすごく早いよ!」


「はぁはぁ…ハリスは父さんと、とてつもないハードな稽古をしてるんだね…覚えるのが精一杯だよ……。でも、少しは上達した気がするよ!」


(結構疲れてるな、一旦休憩挟むか。ついでにパッシブスキル「能力鑑定」使ってみるか。どれどれ、ネイのステータスは。)



「能力鑑定!」



ネイのステータスが目の前に現れた。


《STATUS-ステータス-》

名前:ネイ・ハルエス

レベル:75

種族:人間

年齢:9才

身長:134cm

所有ゴールド(G):0

職業:なし

称号:なし

属性:木・光・闇

スキル:なし

HP:5075

MP:3450

STR 3500

DEF 3025

AGI 4500


以上。


(おお、意外と高いな。俺と鍛錬したからか?にしても属性は3種類か。ネイに似合ってるな。もう少し鍛錬すれば国公立剣術魔術学校も夢じゃないだろうな。相当努力してきたんだろう。俺も頑張らないとな。)


「ハリスは剣術凄いね。お父さんは昔は凄い人だったんじゃないかな?」


「そうだね、実は父さんは元国家騎士団団長なんだ。」


「…え!そうなの!?知らなかった。だから剣術が上手いわけだ……」


「……秘密だよ?」


「……分かってるって。」


とネイは、驚いて笑いながら言った。




そして、ネイとハリスは、

三年後の#国公立剣術魔術学園__ラースリック__#の受験まで鍛錬し続けた。



俺は父さんに稽古をしてもらい、俺はネイに剣術を教える。こうして、三年後。


ネイとハリスは12歳になり、待ちに待った国公立剣術魔術学園の試験が1週間前に迫っていた。


「システム」

・3年間剣術と魔術の鍛錬により、パッシブスキルとスキルのレベルが上昇しました。

・レベルが150に達しました。新たに新スキルが追加されます。

・称号「駆け出し指導者」を獲得しました。ステータスに能力が上乗せされます。

・称号「二級騎士」が「一級騎士」にパワーアップしました。新たに追加ステータスが付与されます。




《STATUS-ステータス-》

名前:ハリス・ファルティ

レベル:150

種族:人間

年齢:12歳

身長:150cm

所有ゴールド(G):0

職業:不明

称号: : 獣の討伐者・ストーンブレイカー・メンタルハート・死の狭間を超えし者・転生者・一級騎士・努力の賜物・駆け出し指導者 New

属性:火、水、木、光、闇

スキル:異空間バッグ・全能力上昇Ⅲ・抜剣の恒星 ・攻撃無効 New

HP:22500

MP:∞

STR 16250

DEF 13650

AGI 17650

パッシブスキル:経験値倍増Ⅲ・攻撃強化Ⅹ・防御力強化Ⅹ・敵意感知Ⅴ・魔物感知Ⅴ・全属性適応・全言語読解・剣の技能上昇Ⅹ・魔法技能上昇Ⅹ・不意打ち・状態異常無効・ステータス補正・能力鑑定 ・付与魔法Ⅲ・危険察知・自動回復・隠密・透明感知


駆け出し指導者 攻撃無効 New!!




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蒼髪のハリス @Syun012

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