第37話
待ちに待った三連休がやってきた。
この三日間の休みを利用して、俺は異世界の大都市アストリオを目指す。
事前準備はすでに済ませてある。
あらかじめ、ケノスさんから譲ってもらった書物を参考に必要なものは買い出してある。
「行くか」
早朝、俺は自宅を出発して異世界へと赴いた。
まずはドリンクを5本飲み、それから自分のステータスを確認した。
名前:西野壮平
種族:ヒューマン
職業:なし
レベル:70
攻撃:5050
体力:4700
防御:3900
敏捷:6000
「ずいぶんステータスが上がったな」
あれから毎日ドリンクを5本飲み続けレベルを上げた俺は、現在、レベル七十へと到達していた。
今のところレベルの打ち止めとかはない。
レベル上限などが存在するのかどうかはまだわからないが、俺としてはレベルは上げられるところまであげるつもりだった。
「さて、行くか」
ステータスを確認したところで俺は草原を歩き始めた。
アストリオに関する書物に掲載されている地図を頼りに、道を進んでいく。
途中、ウルガと合流するために例の小屋へ寄った。
「ウルガー?」
『ガウガウッ!!』
名前を呼ぶと返事が聞こえ、どこからともなくウルガが走ってきた。
ちゃんと言いつけを守ってウルガは小屋の付近で暮らしている。
餌も自分でしっかりと確保している。
「ウルガ。今日は大都市に向かうぞ。ついてきてくれ」
大都市アストリオは、使役したモンスターが街中を歩ける法律がある。
ウルガは連れて行ってもなんの問題もない。
『ガウガウ!』
元気よく返事したウルガと、俺は大都市アストリオに向かった。
地球の時刻では早朝に出発したのだが、異世界での周期は地球とは異なっている。
現在異世界の時刻は夕方であり、俺とウルガが森の中へと足を踏み入れた時にはもうすでに日が落ち始めていた。
今日は森の中で夜を明かすことになりそうだ。
「ウルガ。そろそろこの辺りで野営するぞ」
『ガウッ!』
俺は周りの木々を折って、集めた。
焚き火の薪がわりにするのだ。
ステータスのおかげで身体能力が上昇しているため、木の枝は簡単におることが出来た。
木を集め終わったら、炎の魔法で火をつけた。
「寝るか…」
まだ眠いわけではないのだが、昼間に行動したいため夜は寝ることにする。
夜はモンスターの活動も鈍くなるため、睡眠は夜に取るのが適しているだろう。
「ん…」
寝転がって間も無く、眠気がやってきた。
俺はゆっくりと眠りに落ちていく。
「ん…?」
俺は物音で目を覚ました。
周囲は未だ暗闇だ。
ズシン、ズシンと何かが近づいてくる音がする。
『グルルルルル…』
ウルガが、前方を見ながら唸り声を上げている。
危険を感じた俺が、亜空間からミスリルの剣を取り出す中、そいつは草木をかき分けて現れた。
キング・オーガ
レベル120
攻撃:10100
体力:15000
防御:9000
敏捷:7000
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