ボヤッキー! 犯人はお前だ!

ぺんぺん草のすけ

第1話 恐怖……

『KAC2021 ~カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2021~』が開催された。

 なになに、お題発表から一週間で、読者の獲得数が多い上位1~5作品が読者賞で、お題発表から一週間で、最も多くの★数を獲得した上位1~5作品がレビュー賞だって。


 むりじゃん!

 絶対無理じゃん!

 俺なんか、参加したところで、可能性0ですわ!


 え! この入り方、どこかで見た?

 それは気のせいでしょう!

 だって、「審査の関係上、次のエピソードにつながっていても続きは審査対象にしません」なので、前回のお話しとは全く関係ございません!


 カクヨムに令和2年5月に登録して、やっと一年が経とうとしている。

 長いようで、あっという間だった。


 一年たつといろいろなものが変わってくる。

 文章も変われば、読者層も変わる。

 何よりも、プロットも変わっていく。

 日々成長しているのだから、変化していくのは当たり前である。


 ただ、一点、変化してほしくないものがある。

 そう、リワードである。


 俺がとある情報筋から仕入れた情報によると、1年たったリワードは、どこかにスッと消えるらしい。


 そんなバカな!

 リワードが消えるなんておかしいじゃないか!


 きっと、誰かがパソコンをハッキングしたに違いない。

 そして、そのリワードを自分のパソコンへと移したのだ。

 まさに、コインキャッシ●社のハッキングを想起させる。

 もしかして、これも、某国の陰謀なのか?


 いや、俺ごときの少額リワードを某国が狙うわけはない。

 なら、誰が……


 俺は、悩んだ。


 しかし、無慈悲にも時だけが経って行く。

 早くしないと俺のリワードもなくなってしまう。

 気だけが焦る。


 ほらー、ほらー、リワードが減っていくよ!


 俺の背後から、そんな声がしてくるような気がした。


 確かに人によっては、リワードの最低金額は、はした金かもしれない。

 だけど、貰う人にとっては、自らの手で稼いだリワードなのだ。

 金額としては3000円

 確かに、少ない。

 だけど、これで、ご飯が何日分か食べられるのである。

 子供に少し贅沢なご飯を食べさせてあげることができるかもしれないのである。

 そう、ささやかな善意で、救える命もあるのだ。

 もう、子供が餓死したというニュースは聞きたくない。

 あんな話を聞くだけで、涙があふれてくる。

 何とかしたい。でも、何ともできない。

 所詮、俺は口だけの非力な男なのだ。

 ただ、ただ、不満をボヤキ、キーボードを打つだけ。

 そう、ボヤッキーなのだ。


 だが、消えたリワードはどこに行くのだろうか?

 リワードはデータであるが、財産としての金銭的な裏付けがある。

 と言うことは、それが消えることはないのだ。

 もしかして幽霊の仕業かと思っていた俺は、頭を切り替えた。


 そうか! そうなんだ!


 俺は、犯人が分かったような気がした。

「犯人は! あなたです!」

 俺は、背後を指さそうとした。


 だが、そこには巨大な黒い影があるだけで、俺はそれ以上動くことができなかった……

 ――これ以上言ったら……消される。

 俺の直感が危険を感じたのである。


 その黒い影の奥底から、なんとももの悲しい寿限無が聞こえてくるような気がした。


 期限無し寿限無! 期限無し寿限無! 後生五劫お願いすりきれ カクヨム海砂利好き水魚営業さん水行末!  運営さん 雲来末!  フリーター風来末! るぐらいの金額を いただくわけにはいかまいか……

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