可愛い幼馴染に50回目の告白したが撃沈→翌日、学年一の美少女が彼女になったら幼馴染の様子がおかしい件【胸キュン】
雲川はるさめ
第1話
副題
俺の直観力に拠れば。
幼馴染よ、おまえ、俺のこと本当は好きなんやろ?と関西弁風に言ってみたり。
可愛い俺の幼馴染、真島マヒロへの
本日50回目の告白だった。
俺の名前は山吹シンジ。
現在中学三年生だが。
休み時間に学校の屋上に好きな女を呼び出し、
例によって想いを告げた。
「好きだ、マヒロ!俺と付き合...」
言いかけたその時。
「ごめん!シンジとは付き合えない」
いつもは最後まで言わせてくれるのに、
今日はマヒロのやつ、何だか機嫌が悪いのか、
言いかけたところでそう即答してきた。
マヒロのことは。
小さい頃から好きだった。
幼稚園時代からの幼馴染で
髪型は昔からおんなじ。
地毛で茶髪の
ツインテ女子である真島マヒロだが。
頭も良く、顔も可愛い。
小柄で思わずきゅっと抱きしめてあげたくなるよーな守ってやりたい感じ?とでも言えばいいのか、それがマヒロにはあった。
「あのねー、私、テスト勉強したいのよ!どーしてシンジはそーいうこと考えずに、中間テスト日の休み時間に告白とかしてくるかなぁ?」
「ごめん」
「そーゆーとこが、ダメなんだからね!」
マヒロはそこまで言うと、スタスタと屋上を
後にしたんだ。
さて、先にも書いたが俺はマヒロに
何回も告白したが断られてばかりだった。
中学入学してすぐ。
一回目の告白時には、
その陰キャっぽい見た目がダメだとか
言われて、メガネはやめてコンタクトレンズを
入れてみたし。
髪の毛もそん時は長かったから
思い切って坊主にした。
そしたら二回目の告白時には。
「坊主がダメ」
だと言われたんだ。
俺は髪の毛が伸びた頃を見計らい、
カリスマ美容師として名高い男性美容師がいる有名な美容室に顔を出し、高いお金を払って
女受けする男のモテ髪ヘアにしてもらった。
その状態で
胸を張り、マヒロに三回目の告白を意気揚々としてみたんだが。
しかし、どうだ。
「私、頭の悪い男って無理なの」
とバッサリ。結果は惨敗だった。
頭の悪さを言われ、俺は
親になんとか懇願して
スパルタ塾に通わせてもらう事になった。
塾で宿題を山ほど出され、
「こんな問題も分かんないのか!
これはこーやってこー解けばいいんだ!」
「は、はい汗汗」
鬼講師に罵倒され、俺は恐れ慄きながらも
勉強に励んだ。
気が付けば、俺は。
学年二位に上り詰めていたんだ。
この状態でまた彼女に告った。
しかし、今度は。
「一番になんなきゃダメよ」
無理難題だった。
天才肌のマヒロが群を抜いて不動の学年トップ。
一位なんて螺貝に糸を通すより難しかった。
しつこく何度もアタックすれば、
やがてはマヒロも折れてくれるかと思ったが、
ダメだった。
マヒロが根負けしてくれることはなかった。
50回も告ったのに、俺は
マヒロに振られ続けたんだ。
見た目も改善した。
頭の中身も改良した。
ちょっと、今日は勉強したいっていう、
マヒロに対しての気遣いができてなかったとは思うが。
外見、中身、一回目の告白より格段に
マシになっているのに!
そんな俺が。
この日の放課後、学年1のモテ女な
超絶美少女の林ユーコに
体育館裏に呼び出された。
何だろうと思って指定された時間に行くと。
非常に驚いた。
なんと、
俺は、生まれて初めて告られる側に回った。
超絶美少女に告白された俺。
「好きです!山吹シンジくん、私と付き合ってください!」
「え、いや、でも」
「好きな子がいるのは知っているの!
四組の天才少女、真島マヒロさんでしょ?」
「あ、うん」
「シンジくん、何度もマヒロさん告白して振られているんでしょう?確か噂だと51連敗...
だったらもう諦めて、他の女子見たほうがよくない?」
「例えば、私とか...」
「林さん、51連敗じゃなくて
50連敗ね...」
「そんな変わんないじゃない、、」
それから、驚きの展開になる。
いきなし、俺は林ユーコに抱きつかれた。
しかもうるうるの涙目で。
「私ね、ずっとシンジくんのことカッコいいなって思ってて。好きなの。もうどーしようもなく。50回アタックしても良いくらいに。
お願い。私と付き合って」
「いや、でも...」
「ちょっとでも付き合ってくれないんなら、
私、人生諦めて屋上から飛びお..」
「ええええ」
そんな事言われたら。
「わ、分かった」と言わざるを得ないじゃないか。
俺はこーして、林ユーコの彼氏になった。
その日は一緒に下校し。
翌日は手を繋いで登校した。
その様子を。一番見られたくない女。
幼馴染のマヒロに目撃された。
「シンジ、ちょっと、どーいうこと!?」
「あ、えとこれは...」
俺がオロオロしていると。
林ユーコが嬉々として言ったんだ。
「あっらー、真島マヒロさん!
うちら、カレカノだぉ。
わっるいけどー、あんたが付け込む隙はこれっぽちもないからね!!」
右手の親指と人差し指で本当に小さな隙間を作りつつ、林ユーコは最後にこう言い放った。
「わっるいけどー、うちらの中、邪魔しないでよ」
マヒロは何も言わず、下を向き、
急に走り出して校舎の中に消えて行った。
次の日。事件が起きた。
下駄箱を覗くと。
幼馴染マヒロからのラブレターがあった。
「え?」
私、あんたのことが好きだって気がついたみたいの文面が綺麗な字で、ピンク色の便箋に
綴られていた。
「わぉ、ラブレターじゃん!
しかも、マヒロさんからだぁ!!」
林ユーコに手紙を覗き込まれた瞬間だった。
フッと、下駄箱の陰からマヒロが躍り出てきた。
「ちょっと、林さん!
人が書いたラブレター読まないでよね!」
「別にいいじゃん。
減るもんじゃないし」
俺は
女二人、喧嘩するのかと思ってヒヤヒヤしたが。
「ごめん」
と美少女林ユーコの謝罪の言葉を聞いたんだ。
「実はこれ。
罰ゲーム告白で暫く付き合わなきゃって
やつだったの。
だましててごめん」
「な、、、!」
俺とマヒロの声が重なった。
「仮初のカップルだったの!
あとは二人、仲良くやってよ!!」
林ユーコはバタバタと走って、
俺らの前から逃げるようにいなくなった。
残された俺らは。
お互い顔を見合わせた。
「お前、俺のこと好きなのかよ??」
「う、うん。どーもそーみたい」
「付き合えるってこと?」
「う、うん。どーもそーみたい」
「俺、学年トップになってねーけど、いーのかよ?」
「う、うん」
とりあえず俺は。
マヒロの本当の気持ちが分かった俺は。
長年の夢だった、マヒロをギュッと抱きしめる
って行為を。通称、ハグを。
目撃者は何人かいたが、下駄箱のところで
やっちまったんだな。
こうして。
幼馴染のカップルが
紆余曲折を経て誕生したんだな。
さて、
ここから先は後日談になる。
晴れてマヒロと恋人同士になった俺は
何で俺のこと50回も振り続けたのか?と
ある日尋ねてみた。
すると、こんな答えが返ってきたんだ。
「どうも私、シンジのこと好きだったみたいなんだけどね、どーも素直になれなくて」
「あーでもないこーでもないって言ってイチャモンつけて振ってしまっていたの」
「謝るわ。ごめんなさい」
「あ、えーと」
「ま、でも、俺は自分磨きのきっかけになった訳だし?結果、オーライっていうか?
ま、でも流石に振られ続けてメンタルはきたけどな」
「林さんのお陰で、シンジが大好きだって気が付いたみたい。やっと素直になれたみたいなの」
そろそろニヤニヤが止まらなくなってきたので、此処らで筆を置くことにしまーす。
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