陽光
綺羅びやかさは暗闇には隠され、街頭と月明かりが綻びを照らし出す深夜2時。継ぎ接ぎだらけの世界の隙間に、我楽多で紡がれた人形がいる。この
彼は衣装と云うものを知った。自分をより強く、より美しく見せる為の道具である。稚げな四肢を引き摺る彼は真っ先に彼の手足を着飾った。己をより誇大に表現する為の衣装、幼い彼に衣装を買う資金は無かった。彼は廃工場から鉄屑を拝借し、無我夢中で彼の欠如を補った。その我楽多の名を称して、思想と言う。
【短篇】蚕 橘香織 @merlt
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