第11話  新しい同僚

「宜しくお願いします。土山です」

「宜しくお願いします。桃園と言います」


 4月になって准看護師の土山さんが新たに加わった。

 私より7歳くらい年上の、奈良から常勤としての入社と言う事もあり、同じ常勤同士……いや明るい性格の土山さんだからこそ私はめっちゃ嬉しかったのだ。


 土山 真帆さん。

 奈良でも透析センターでずっと働いていたベテランさん。

 俄仕込みの私とは違い、透析の事を何でも理解しそしてわからない事があればちゃんと丁寧に教えてくれる素晴らしい女性。

 

 何よりも話が合う。

 また話だけではない。

 私の感じる幾つもの疑問とこの重苦しい空気に、土山さんもまたちゃんと普通に感じてくれる人だったのである。


 ある意味彼女がいるこの時間が私の救いだったのかもしれない。

 そうして土山さんと仕事をしていく中で私は幾つもの疑問を彼女と共に見つけていく事になるのである。

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