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英雄時代論に関する考察。ついでに進歩的(化石的)文化人をぶった切り」への応援コメント

  • こんにちは。
    私はプロを学術論文掲載をなりわいとしている人と考えていますが、古代史(に限らず史学)の場合、プロでも荒唐無稽な主張が多いと思います。プロとシロウトは知識量の差が大きいと思うのですが、それが見識の差にはなっていないと思うのです。その一因は、おっしゃるようにイデオロギーなんじゃないですかね‥‥‥

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     仰ることはよくわかります。

     文鳥亮さまの分類でいうプロで荒唐無稽な方の名が何人か頭に浮かびましたが、個人名を上げることは取り合えず控えておきます(苦笑)

     又、プロでも一般向けの書籍ばかり書いていてめったに学術論文を書かない方(或いは評価が低く、他の専門家から全く引用されない)もいますよね。

     只、イデオロギーについては本稿で引用した内容などは個人的に腹立たしい例ではありますが、時代の流れによりイデオロギー的な影響が研究を推し進めるというプラスの面も無い訳ではありません。

     大正デモクラシーの自由主義的な雰囲気が津田左右吉氏の研究を生み出したと言われていますし、それは現在からみれば容易く否定出来る内容ですが、それまでの非科学的な記紀研究を実証主義により打破するきっかけとなったとも言われていますし、戦後にイデオロギー的な反発も含めて津田批判を行っていた石母田正氏の著書、特に『日本の古代国家』(岩波文庫)で見られるような圧倒的な知見から語る古代国家観を論駁し得る国家論を、果たして保守陣営が今まで語る事が出来ていたのかというと甚だ疑問ですし、西郷信綱氏の歴史学や考古学的な解釈ばかりを求めると中々辿り着けない結論へと導く手法は、思想的には当方と相反するものとは言え感服せしめるものであるのに対し、「古事記に馬が出てこない」などと言っている竹田何某などが古事記の解説本を書いている現状に溜息をつかざるを得ないと思っています。

     あとアマチュアの著作では感銘を受けたのは八木荘司氏の『古代天皇はなぜ殺されたのか』(角川書店)ぐらいで、(これも今から見ればツッコミどころは満載ですが)大抵の著書は結論を急ぎ過ぎたり、西郷信綱氏が『古事記研究』(未来社)で言う「点と点を結びつける」手法や、拙稿「小ネタ 怨霊となった蘇我入鹿?(たまには在野の研究者を斬ってみた)」で指摘した様な姑息な手法が目につくので、こういったところではやはりプロとは差があるのかなと思わざるを得ません。だからと言って、御存命の歴史学者の中で、現在信用できる方は平林章仁氏ぐらいしかいないとも感じているのですけれどね……。

    編集済