応援コメント

外国人による記紀研究⑴ 韓国の記紀神話研究」への応援コメント

  • 挙げられた図書も含めて非常に参考になります
    私も騎馬民族征服王朝説やその亜流説には強い疑念があり、方々のコメント欄で見かけるとよくツッコミ入れたりするのですがまるで事実かのように流布してますね
    少し考えれば不自然な事は分かりそうなものですが
    日本の考古学でも今はナショナリズム抜きで支持されていませんし
    例えば松木武彦という考古学者は、朝鮮半島の地理的なリスクから日本へ侵攻する事はできないと論じていますね
    以下の論文がその趣旨で書かれています
    https://rci.nanzan-u.ac.jp/jinruiken/publication-new/item/nenpo12_09_matsugi.pdf

    作者からの返信

     コメント及び論文のご紹介ありがとうございます!

     そうですよね。当方も同じ気持ちで、前稿「騎馬民族説の諸問題」の他、「書評 名著『騎馬民族は来た!? 来ない!?』(江上波夫・佐原真)について」、「オワコントンデモ学説。王朝交代説の趣旨と批判」、「考古学について① 西郷信綱の考古学に対する批判論」、「神武天皇と崇神天皇。二人の「ハツクニシラススメラミコト」は同一人物か?」などで騎馬民族説やその亜種の王朝交代説を批判しています。

     仰るように上記の稿に書いた種々の理由により考古学的には否定的に見られていますが、神話学的にはまだまだ影響力が根深そうなのは何とかならないものかと思い、前稿を書いた次第です。

     早速論文を拝見させて頂きました。
     松木武彦氏ならば著書『古墳とはなにか 認知考古学からみる古代』(角川選書)の一部内容を過去の稿「神武天皇東征の史実性と英雄時代論」で引用させて頂いた事があったので、松木氏の論文をご紹介下さり嬉しいです。

     引用して下さった部分はまさしくその通りだと思います。自説を補強できる内容なので、とても助かります。

     本稿とは趣旨が異なりますが、松木氏の引用した佐原氏の研究を付け加えると、吉野ケ里遺跡の戦いの犠牲者を『魏志倭人伝』の「倭国大乱(倭国大いに乱る)」に対応する可能性を指摘しています(『騎馬民族は来た!? 来ない!?』)が、現在の考古学的な知見では弥生時代の戦闘は紀元前にはじまり、激化していったので、その発端において「倭国大乱」は関係無かった事が明かされており、後程佐原氏はこの説を撤回なさった(『倭人争乱』田中椓 集英社)ということもあったそうです。

     あと本文中の「政治的連合」に関しては、かつて英雄時代論が議論された時に井上光貞氏等が唱えた発想なので、英雄時代論が否定されている今となっては田中椓氏等、否定的な見解もしばしば見ます。私はどちらかといえば英雄時代肯定派なので、別に問題ないかと思いますが、その根拠は何れ取り上げますが。

    編集済