このあたり、漫画などを鵜呑みにして真似て書いてる人もいるだろうな〜と思うこともあったり。
まだ現代人に馴染みやすい〇〇天皇表記の方が納得は行くんですが、「ありふれた書き方はイヤ」という理由だけで奇を衒ってしっちゃかめっちゃかな書き方する人もいるのが創作界隈なので(´;ω;`)
作者からの返信
小説や漫画ならまだしも、一応専門家を装った人の研究書に神武大王と書かれていたのでビックリしましたね。
個人的な分類としては、創作物であれば時代にあった表記(これは別稿「文献から見る「大王」から「天皇」への変遷」でヒントを出しています。)。論文であれば天皇表記にするのが無難かなとは思います。まぁ、講談社学術文庫や中公クラシックスの『日本書紀』の現代語訳では本文中に漢風諡号を使っているので、現代語訳しか読んだ事の無い方は漢風諡号を創作に使用してしまう場合もあるのかな? とも感じますが。
私の場合、創作では例えば万葉集風に
・地名+(漢風諡号)
例:泊瀬朝倉朝御代(雄略天皇)
あるいは
・尊号又は和風諡号+(漢風諡号)
例:大泊瀬幼武(雄略天皇)
みたいに()内に漢風諡号も表記してました。
記紀以前の時代の創作を行う場合、表記もなるべく記紀以前の物、例えば「武蔵」は「无耶志」といった用字を使うなどしていたのですが、これも分かりずらそうなので、これらも後ろに()をつけて日本書紀の表記を付け足すか、別所で解説を加えていましたが、だったら氏やカバネを表記するのはまだ先の時代に物部連やら大伴連やら書いていいのか? と言うところは都合よく『日本書紀』に準拠して表現したりしてました。(苦笑・まぁ氏を省略すると誰だか分かりずらいのも確かなので)
余談ですが、垂仁天皇の和風諡号の活目入彦を『上宮記』風に伊久牟尼利比古と表記してしまう癖があって、ある方のレビューでもつい「イクムニリヒコ」と書いてしまった事があるのですが、誤字と間違えられないかちょっと不安です。
後に人代に遡っておくられた漢風諡号に基づき○○天皇ならわかる…いわゆる公式表現だし、何より短いし、誰か把握しやすいという利点はある。
○○大王ってどういう感覚やねん…やまとことばか漢語表現かどっちかに統一しろ…
あ、この気持ち悪さ、いわゆるルー語だ…
作者からの返信
〇〇大王と書きたがる学者の意図はまぁ察しますよね。
仰るように一般的には〇〇天皇の方が理解されやすいですよね。
只、漢風諡号が使われる以前の天皇が登場する創作などでは、うっかり漢風諡号を使わない様に注意しないといけませんね。ある漫画で、ヤマトタケルの時代の話で作中の人物が「景行天皇」と語るのが違和感ありまくりでした……。
最近よく見かけるのは「継体大王」ですね
なんやねんそれと思うけど
大王(オオキミ)ならオホドかオオドでは
作者からの返信
コメントありがとうございます!
記紀よりも古い文献で確実と思われる継体天皇の記述を取り上げると、『釈日本紀』引用の『上宮記』逸文では確かに「乎富等大公王(おほどのおほきみ)」なので、仰るように厳密に言えば、オホキミならばオホド、あるいは現代語のオオドが適切なのかと思います。
以下『釈日本紀』引用『上宮記』逸文の画像↓
https://kakuyomu.jp/users/uruha_rei/news/16817330657541657512
継体「大王」表現者の意図としては、『上宮記』逸文では「オホキミ」だから、この時点ではまだオホキミという意識が念頭にあって、この様に表現しているのかも知れませんね。