第2話:経済制裁と復讐

「ブリジットお嬢様、ティマル王国の商人ギルドのマスターが、面会を求めてやってまいりました、いかがいたしましょうか」


「そうですか、まずはオレリアが話を聞いてください。

 その上で私に取り次ぐべきか判断してください」


「承りました」


 乳母のオレリアが決意に満ちた目で出て行ってくれました。

 上手くあしらってくれるでしょう。

 

「ブリジットお嬢様、騎士団長から伝令が参りました」


「会いましょう、直ぐにここに連れてきてください」


 ティマル王家も追い込まれているようですね。

 十五年かけて綿密に準備した復讐です。

 前世と同じように私やファイン公爵家を裏切るか確かめた上で、多くの貴族家を味方につけた上で実行した復讐です。

 王家に抵抗する術はないでしょう。


「ブリジットお嬢様、麗しい御尊顔を拝し奉り恐悦至極でございます」


 堅苦し過ぎますが、騎士団をはじめとした武官家臣達の忠誠を維持できているようですね、安心しました。

 まあ、今のファイン公爵騎士団の九割以上が私が直接召し抱えた元傭兵や元冒険者ですから、当然と言えば当然ですね。

 三万を超える騎士と徒士の大軍団が相手では、王国直属軍も攻撃を仕掛けてくる事などできないです。


「王家直属の騎士や徒士の中に寝返りを願い出てくる者が跡を絶ちません。

 騎士団長が対応を指示していただきたいと申しております」


「元の領地を地位を保証すると言っていいわよ。

 一時的に王家を離れるのなら、領地収入と同じ報酬を約束しなさい」


 私の言葉を伝えに伝令が最前線に戻って行きました。

 私が魔術で創り上げた宝石を元手に王国に仕掛けた経済戦争。

 王家の人間は何をされているか分からないうちに国が崩壊しました。

 今度は冤罪を被せて婚約破棄して追放刑を言い渡してくれましたが、のこのこと王都に行って弁明するほど馬鹿ではないのですよ、今の私わ。


 国王と王妃、それにシャルルとソフィア以外は無一文で追放してあげます。

 父上と母上が味わった苦しみをあいつらにも味合わせてやります。

 シャルルは私と同じギロチンで殺してあげます。

 問題はソフィアですね、約束通り子供を産ませたうえで子供を死なせる。

 避妊をさせずに毎日何度も客をとらせて、誰の子供か分からない子を産ませて、殺してあげますわ。

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浪費家と呼ばれても、愚嬢と呼ばれようと、悪女になっても、この国の経済を回して見せます。 克全 @dokatu

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