僕は幼馴染に男として意識されたい
もろもろこしこし
短編
僕、小林貴幸には、とてつもなく大きな悩みがある。
それは、幼馴染である春川由紀が僕のことを男として全く意識してくれないことである。
僕と由紀は家が隣で小さい頃から遊んでいた幼馴染で、今でも仲がいい。
そして、由紀はかわいい。軽く茶色のショートカットの髪に低めの背丈、控えめだがしっかりと二つの丘を確認できる胸、明るく眩しい笑顔、完全なる美少女である。
対して、僕はこんなラノベの主人公はいないと断言できるほど平凡な名前である通り、可もなく不可もなくな男であるが、ただ一つこのような最高の幼馴染がいることだけが僕の幸運であり、自慢であり、生き甲斐である。
そんな平凡な僕が美少女で優しくて明るい幼馴染に恋心を抱いてしまったのは、必然すぎることだろう。
幼い頃から好意は持っていた。この気持ちが恋だと知ったのは小学3年生の頃だった。スポーツも勉強もさほど得意ではなく、イケメンでもなく、自分が地味で平凡で何もない男だとふと気づいて落ち込み、僕と比べて、明るくて元気で人気者だった由紀に劣等感を感じて、僕と一緒にいたら由紀がダメになっちゃうと思って、距離を取り始めた頃、由紀に初めて泣いて怒られたことがきっかけだった。
「たかちゃん!!なんで由紀と遊んでくれないの!!」
「だって、由紀は僕と違って人気者だから。僕なんかと一緒にいたら、由紀の友達が少なくなっちゃう。」
「なんでそんなこと言うの!!由紀はたかちゃんと一緒にいたいのに!!いつも優しいたかちゃんが大好きなのに!!」
そのときに由紀が言ってくれたこの一言は今でも僕の支えになっている。こんな平凡な僕でも好きになってくれる人がいることが嬉しかった。
この瞬間に僕の由紀への気持ちが恋心であることを知った。
だからこそ、自分のことを大好きと言ってくれた由紀に対して、勝手に距離を置こうとしていたことに僕は申し訳なく思い、僕も気持ちを伝えた。
「由紀、遊ばなくなってごめん!僕も由紀のこと、大好き!!だから泣かないで!」
これでこの後、結婚の約束とかしちゃうのが、よくあるラノベやアニメなどのパターンだろう。
だが、現実は違った。
「うん!!うれしい〜!!由紀ね、たかちゃん大好き!!でね、パパもママも大好き!!だからね!たかちゃんもね、パパとママみたいに、由紀のすぐそばでね、これからもずっと一緒にいてほしいの!!」
当時、小学3年生だった由紀は、家族や友達に対しての好きしか知らなかったのだ。
だからもちろん、付き合うとか恋とか恋愛とかよくわかっていなかった。
僕は少しがっかりしたが、それよりも由紀が僕のことを大好きだと言ってくれたことが嬉しかった。
僕は由紀と結婚して幸せな家庭を築くために、公務員となることが将来の夢となり、勉強だけは努力するようになった。
いつか由紀が恋愛として好きを知った時、告白しようと思いながら、イケメンではないながらも最低限の身だしなみは整え、由紀が好きだと言ってくれた僕の優しいところを失わないようにするため、他人をより一層気遣って生きるようになった。
そして、高校2年生となった冒頭に至る。
そう、僕の幼馴染、春川由紀は、高校2年生になった今でも、恋愛の「れ」文字も、恋の「こ」文字もわからないほど恋愛に関しては小学生のままというぽわぽわと生きている鈍感天然女子になってしまったのである。
つまり、僕のことを仲のいいただの幼馴染としか思っていないのである。
家族のような立ち位置になってしまって、男として見られていないのである。
ここで僕が男として意識されていないという具体例を紹介しておこう。
「たかちゃん!!今日、由紀と一緒にお風呂入ろっ!!」
「え?は?お、おい!由紀なにいってんだよ!!もう僕たち高校生だぞ??」
「え〜〜!昔も一緒に入ってたからいいじゃ〜ん!!たかちゃん一緒に入ろ〜よ〜!!」
「だめだ!!」
「ぶーぶー!!たかちゃんのけち〜!!」
なんてことがあったり。
「おい!由紀起きろ!遅刻するぞ!!」
「ん〜、あっ、たかちゃんだ〜おはよ〜」
「早く着替えて、朝ごはん食べるぞ!!遅刻するから!!」
「ん〜、たかちゃん〜着替えさせて〜」
「は?い、いや、自分で着替えろよ!!」
「え〜!いいじゃん〜!たかちゃんなんだし〜!!」
「いや、由紀、僕のことなんだと思ってるんだよ!!僕だって一応男だぞ!」
「ん〜、たかちゃんは〜、お兄ちゃんみたいな感じ?お兄ちゃんがいたら、たかちゃんみたいに優しいだろうな〜って思って!」
なんてこともあった。
この通り僕は由紀に全く男として意識されていないのである。
由紀が恋愛としての好きを知るまで、待とうと思っていたが、そろそろ限界だ。
由紀はかわいいから高校で結構モテている。
これまでに告白されたこともあったが、「付き合うってよくわかんない!友達じゃダメなの?」と言って断ってきた。
そのため、男子の間でいつのまにか不可侵条約が締結され、天使のような由紀を見守るファンクラブができていた。
だから最近は告白する男はいないのだが、いつ由紀がなし崩し的に付き合ってしまうかわからない。
そして、なんといっても、僕は由紀と付き合って、イチャイチャしたい!!
キスもしたいし、もちろんエッチなことだってしたいのだ!!
今は由紀の信頼を裏切りたくなくて、とてつもない理性で我慢してきたが、正直もう限界だ!!
由紀、お前は無防備すぎるんだ!!薄着のまま僕と会うし、僕のベッドでいつも寝転がってるし、いろんなところが見えそうになってるしで、もう限界だ!!!!
僕は由紀に男として意識されて、付き合って、合法的にイチャイチャしたい!!
僕だって、高校生だ!!溜まっているのだ!!
よし!そうと決まれば、明日から由紀に男として意識してもらうための作戦を決行する!!
作戦1 手を繋ぐ
まあ、これはシンプルな作戦だが、まずはここから攻めるのが無難だろう。
僕が手を繋いで、「たかちゃんの手、おっきいね、男の子なんだね。」と言って由紀は顔を赤らめる。
てな感じで、男らしさをアピールするのだ!!完璧な作戦だ!!
放課後、僕と由紀はいつも通り、一緒に帰っていた。
「でね〜、今日はね〜、こんなことがあってね〜」
由紀がいつもように楽しそうに喋っている。
よし、今だ!
僕はそっと由紀の手を握る。
由紀が少し驚いて、僕の顔を見た。
よしよし、これで少しは意識してくれるか?
すると、由紀の顔が満面の笑みに変わった。
「わーい!!たかちゃんが久しぶりに手つないでくれた〜!!やったー!!中学ぐらいから、たかちゃんつないでくれなかったからうれしいな〜!!」
由紀は嬉しそうに僕と繋いだ手をブンブン振っていた。
か、完全に失敗だ。これじゃ、遠足に隣の人と手を繋いでいく小学1年生みたいな感じになってるじゃないか!!
僕が求めていたのはこんな反応じゃないんだ!!
次だ次!!次の作戦だ!!
作戦2 壁ドン
やっぱり男として意識させるなら、これでしょ!
男としての威圧感と距離の近さで確実に女の子を赤面させる行為!
これで由紀を照れさせてやる!!
休憩時間。廊下を1人で歩いている由紀を発見した。
チャンスだ!!ここで壁ドンを仕掛けるぞ!!
「由紀!」
「あっ!たかちゃんだ!!どうしたの〜!」
由紀が駆け足でやってくる。
「由紀、ちょっとそこに立ってて。」
「うん!わかった〜!」
由紀を壁の前に立たせた。よし、ここでかます!!
ドンッ!
僕は壁に手を当て、由紀の目を見つめる。
ど、どうだ??赤面するか??ちょ、ちょっと想像より近いな。由紀、近くで見てもかわいいな。まずいまずい、僕のほうが赤面してしまう!平常心だ平常心。
僕が見つめていると、由紀もじっと見つめ返してきた。
これはいけるか?どうなんだ??
「あっ!たかちゃん!前髪に小さいゴミついてるよ!とってあげる!」
そう言って由紀は僕の髪に手を伸ばした。
「よし!とれた!!あっ、たかちゃん、なんだか顔赤くなってるけど、だいじょうぶ?」
「え?ああ、全然大丈夫!!」
「よかったー!!」
これは、完全な失敗だ。あんなに近づいたのに。ちっとも赤くならなかった。
なんならカウンターパンチで僕のほうが赤くなってしまった。
これはいかん。しっかりしなければ!!
やはり由紀、なかなか手強いな。
次の作戦に行くとしよう!
作戦3 お姫様抱っこ
この作戦はかなり自信がある。
由紀をお姫様抱っこすることで、僕が力のあるところを見せつけ、男らしさをアピールするのである!
だが、この作戦はタイミングが難しい。急にしても驚かれるだけだろう。
さて、いつこの作戦を決行しようか。
「わぁ!」
どてーん!
そんなことを思っていたら、放課後、一緒に帰宅していると、由紀が何もないところで転んでしまった。
昔から由紀はドジで何もないところでも転んでしまうのだ。
「おい!大丈夫か!由紀!」
「いてて、うん、だいじょうぶだよ〜!」
「ひざ、擦りむいてるじゃんか!早く手当てしないと!由紀、ちゃんと掴まってろよ!!」
「え?」
僕は由紀をお姫様抱っこして、無我夢中で走って家に帰り、ひざの手当てをした。
「よし、これで大丈夫だ!由紀、ほんとに気をつけろよ?」
手当てを終えて、由紀の顔を見ると、こちらを見ながら、ぼーっとしていた。
どうしたんだ?もしかして、他にも痛いところが?
「由紀!大丈夫か?他にも痛いところあるのか?」
由紀は、はっと我に返ったようで、なぜが慌てだした。
「え、う、うん!大丈夫!たかちゃんありがとう!」
ふう、他に痛いところはなくてよかった。
今回は久しぶりだったけど、ほんとに由紀は昔からよく転ぶなぁ。
高校生になってからは初めてだったか。
高校生でもドジっ子は健在ということか。
毎回びっくりするからやめてほしいよ。
そういえば、無我夢中であまり意識してなかったけど、作戦のお姫様抱っこは一応したんだよな。
でもあまり由紀の様子は変わってなかったな。
顔も別に赤くなってなかったし。はあ、これも失敗か。まあ、次だ次!!
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
なぜだか、ぼーっとしてしまう。
たかちゃんのことはよく考えてるけど、なんだか今日はちょっと違う。
なんかたかちゃんのことを思うと胸のあたりがポカポカするような感じになって、ぼーっとしてしまう。
「今日もだけど、たかちゃんって、いつも由紀のこと助けてくれるんだよね。」
顔が少し火照ってる気がするけど、少し長風呂しすぎたかな。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
作戦4 ハグ
もうこれしかない。
手繋ぎも壁ドンもお姫様抱っこまでダメだったらもうこれしか残ってないよ!!
これでダメだったらどうするよ!!もう万策尽きるよ!!
ハグをして、この男としての包容力をアピールしてやる!!
男は包容力だとネットに書いてあった!
僕の包容力をアピールして、男として意識させるんだ!!
でも、どうやってハグをしようと切り出そうか?
そうだ!有名なドラマで、カップルがハグの日を作っていたなぁ。
よし!僕がいつか彼女ができた時の予行演習という体でいこうじゃないか!!
完璧だ!!早速かまそう!!
今日も由紀は、放課後帰ってきてから、僕の部屋へと遊びにきた。
「たかちゃ〜ん!遊ぼ〜!!なにする〜??ゲームでもする〜??」
よし、ここだ!やるぞ僕は!!
「な、なあ、由紀、ちょっとお願いがあるんだけど。」
「なに〜??」
「えっと、最近さ、人気のドラマ見たんだけど、そこで、カップルがハグの日っていうの作って毎週ハグしてたんだよね。それでさ、えっと、僕のこれからの予行演習っていうかさ、彼女できたときのために、ハグの練習したいっていうか、だから由紀、僕とハグしてもらっていい?」
「え?たかちゃん、彼女つくるの?」
「え?いや、そりゃあまあ、いつかは。」
「ふ〜ん。」
え?なにこれ?どういう反応??ハグはどこいった??
「え、えっと、由紀、ハグの練習してもいいかな?」
「いや。」
「え?いや、由紀、これはえっと、そう!ただの練習だから!!予行演習だから!!別にやましい気持ちなんてないから!!」
「いーや!!由紀はただの練習台なんでしょ!?ふーんだ!!たかちゃんのおたんこなす!!いーだ!!」
怒った由紀は、部屋から出て行ってしまった。
お、怒らせてしまった。
由紀が怒るなんてあの小学3年生の時以来だ。
これはどういうことだ??
由紀はなんて怒ってた?ただの練習台??
いや、最初にイヤって言われたとき、僕の下心みたいなのがバレて、拒否されたと思ったけどそれは違ったのか?
思い返すと、彼女つくるみたいな話をした時から不機嫌になってたかも。
もしかして、僕がこれから作るかもしれない彼女とのハグの練習台になったことに怒ってた??
も、もしかして、こ、これは、嫉妬??
ゆ、由紀が嫉妬してくれた??
ま、マジか。でも、そうとしか考えられない。
顔もわからない僕の未来の彼女に対して、嫉妬して、ただの練習台にされることに怒ったってこと??
や、やばい。そう考えると、嬉しすぎる。
まあ、勘違いかもしれないけど、これは信じるしかない!!
希望が出てきた!!よし!!作戦5に移ろうではないか!!
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
「たかちゃんのバカ!アホ!おたんこなす!!」
たかちゃんの部屋から飛び出して、自分の部屋に戻ってきてもまだ怒りがおさまらない。
たかちゃんがこれから彼女をつくるっていう話を聞いてから、なんだか胸の奥がズキズキする。
由紀のことをただの練習台扱いみたいにされて、なんだか悲しくなって、イヤで、怒っちゃった。
たかちゃんに怒るなんて、小学生の頃以来かも。
あの時はたかちゃんが由紀から離れようとしてたから、ほんとに悲しかったな。
だから、たかちゃんはずっと由紀と一緒だと思ってたけど。
なんだろうこの気持ち。たかちゃんに彼女ができると思ったら、胸がズキズキする。
わかんない。なんだろうこの気持ち。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
次の日の放課後、僕はLINEで由紀を校舎裏に呼び出した。
いつもは朝も一緒に登校しているのだが、まだ怒っているのか由紀は僕より先に学校に行ってしまっていたからだ。
まあちょうどよかったかもしれない。
なぜなら僕はここで作戦5を決行するのだから!!
作戦5 告白
いよいよ、この作戦をする時がやってきたぜ。
昨日の由紀の反応を嫉妬だと推測すると、ついに少しは僕を男として意識し始めたのかもしれない!!
これは千載一遇のチャンスだ!!
もうかますしかない!!
貴幸!!ファイトだ!!
すると、なにかちょっと不機嫌そうな顔をした由紀がやってきた。
「たかちゃん、話ってなに?由紀も忙しいんだけど。」
おっと、これはまだ怒ってるのか??いや、関係ない!!やるしかないっしょ!!
「由紀、僕は由紀が好きだ!!」
由紀は少し不思議そうな顔をする。
「由紀だって、たかちゃんのことは好きだけど、それがどうしたの?」
やはり、まだ家族や友達としての好きから抜け出せていないか。
でもここで言うしかない!!
僕は由紀に男として意識されるんだ!!
「違う!!僕は1人の女の子として由紀のことが好きなんだ!!」
由紀はまだ不思議そうな顔をしている。
まだわかってないのか。まあ仕方ない。はっきり言うしかないか。
「だから、僕は由紀と付き合いたい!!彼女になってほしい!!イチャイチャしたい!!エッチなこともしたい!!そして由紀と結婚したい!!子どもを作って幸せな家庭を築きたい!!」
僕が全力で言い切って、由紀の顔を見ると、みるみるうちに顔が赤くなり、すぐに真っ赤に染まった。
「え?え?た、たかちゃん??えっと、い、イチャイチャ??え、エッチなこと??け、けけけ結婚??こ、ここここども????」
由紀がやばいほど混乱している。
だがついに由紀が照れて顔が真っ赤になるほど、僕のことを意識している!!
ここで攻め続けなければ!!
「由紀!!僕は由紀が大好きだ!!由紀のそばに一生いたい!!由紀を幸せにしたい!!」
「えっと、えとえと、えと、」
ぷしゅーー
すると、混乱しまくった由紀がふらりと倒れてしまった。
やばい、さすがに言いすぎたか。
10分後。
「ん、あ、た、たたたたかちゃん。」
「おはよう由紀」
僕がベンチに座りながら、お姫様抱っこして抱えていた由紀が目を覚ました。
「えっと、えとえと。由紀は、たかちゃんに呼び出されて、えっと」
全てを思い出した由紀の顔がまたもや真っ赤に染まる。
やばい、また由紀が気を失ってしまう!
とりあえずお姫様抱っこのままだと落ち着かないから、由紀を隣に座らせた。
「由紀!落ち着いて。大丈夫だから。ゆっくり深呼吸して。落ち着こう。」
由紀が、何度も深呼吸する。
すると、少し落ち着いてきた。
そろそろ大丈夫そうだ。
「由紀、僕の気持ちはさっき言った通りなんだけど、由紀はどう思った?」
「えと、えっとね、由紀はたかちゃんとそういう関係になるって考えたことなくてね。でも昨日、たかちゃんに彼女ができるかもっておもったらね、なんかね、いやだったの。だからね、さっきたかちゃんが言ってくれたこと、びっくりしたけどね、なんだか胸がドキドキして、ポカポカして、うれしかったよ。だからね、えっと、よろしくお願いします。」
「や、やったーーーーー!!!!!!」
やばいやばいやばいやばい!!
嬉しすぎる!!!!
ヒーハーーーー!!!!
僕は嬉しすぎて、由紀を抱きしめる。
「ちょ、ちょっとたかちゃん!」
すると、顔を真っ赤にした由紀が僕を押して、遠ざけた。
え?やばい。調子に乗りすぎた?そういえば昨日もハグを拒否されたし。
「ご、ごめん由紀、調子に乗りすぎた。」
僕が落ち込みまくっていると、もじもじしながら由紀が口を開いた。
「ち、ちがうの!えっとね、いやとかじゃなくてね、なんか恥ずかしくなっちゃって!」
ゆ、由紀が僕のことをちゃんと男として、意識しまくっている!!
これは現実なのか!?
僕は右頬を全力で殴る。
うん、現実だ。
「たかちゃん!?急にどうしたの??大丈夫??」
「うん、大丈夫だよ!ということはさ、これからハグとかしても嫌ではないってこと??」
「う、うん。心の準備はさせてほしいけど。」
「えっとじゃあ、キスも?」
「う、うん。」
「じゃ、じゃあ、エッチなことも??」
「え、えっと、それは、えっと、う、うん。」
「やったーーー!!!!」
か、かわいすぎる!!僕の彼女はかわいすぎるぞ!!
「で、でも、すぐはダメだからね!!」
「じゃあ、すぐじゃなかったらいいってこと??」
由紀の顔が赤くなりまくっている。
「も、もうたかちゃんのエッチ!!もう知らない!!」
恥ずかしくなってしまった由紀が走っていってしまった。
僕はそんな由紀を追いかけながら、これからのことを考えていた。
どんなにありふれた日常でも、好きな人とこれから先ずっと過ごせるなら、輝いてみえる。僕が思い描く幸せはそんな平和な日常。
そして、1つ断言しておこう。
僕の幼馴染は最高だ!!!!
僕は幼馴染に男として意識されたい もろもろこしこし @moromorokoshikoshi
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