あさごはん

ペコロス

四角いバター

奇妙な音のリズムで目が覚める。

スマホを開き

時刻を確認して閉じる。


布団を頭から被り潜る。


また奇妙な音のリズムが鳴る。

布団から這い出て枕を壁に立てかけ

背もたれにし座る。


少しだけカーテンを開ける。


恨めしそうに光を睨み

スマホを手に取る

何の通知も無い。


大きなあくびをして

スマホを置きゆっくりと立ち上がる。


瓶の蓋を開け引いたコーヒー豆の粉を

コーヒーメーカに入れ

水を少し多めに汲み入れる。


ソファーに腰掛けテレビを点ける。

ボッーと犬が散歩する映像を見る。


コポッ コポコポッ

音と共にフワッとした香りが漂う


音が止まり

今度は足軽にマグカップを持ち

コーヒーを注ぐ。

先よりも強く香りが鼻を刺激する。


コーヒーを一口飲み

そのままトースターに食パンを入れる。


赤く照らす光を見ながら

またコーヒーを飲む。


軽く焼き目のついたパンを皿に移し

冷蔵庫からバターを1つ取り

ソファーに戻る。



コーヒーを混ぜたスプーンで食パンに

バターを塗る。

甘く濃厚な香りがする。


パンを食べ終わり

コーヒーを飲み干し

食器を台所に持って行き

そのまま洗面所へ向かう。


顔を洗い。

歯ブラシに歯磨き粉を少し付けて

歯を磨く。

口を濯ぎ

手を濡らし多少髪を整える。


よれよれになったパジャマを脱ぎ

着替えて靴を履く。


戸締りの確認をして部屋を出る。


部屋を出て数メートル歩く。


湿った朝の匂い。


道をいっぱいに広がり、楽しそうに

お喋りをしながら通学路を歩く学生。


そして思わずハッとして立ち止まる。






「今日燃えるゴミの日だった。」

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あさごはん ペコロス @pekopekopekoros

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