警告音

ペコロス

明日

カンカンカンカン…


激しい警告音が鳴り響く。


ゴゴッーーゴゴッーー


音を立てて通り過ぎて行く電車。


座っている人の後頭部が淡々と過ぎ行く。



目の前を黄色と黒の縞が通過して行く。


さっきまで鳴り響いた警告音、

電車が通り過ぎる音までもが

マボロシの様に消え

辺りは静寂に包まれる。


時折、数人の人が通り過ぎる。


一瞬自分に目を向けるがすぐに

踏切の向こう側へ去って行く。


そしてまた激しい音が鳴り響く。


カンカンカンカン。


また黄色と黒の縞が

目の前に現れる。


ゴゴっーゴゴっー


低い音ともに鉄の塊が近づく。


いつでも手の届くところにある。


「今じゃなくてもいいか。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

警告音 ペコロス @pekopekopekoros

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る