第3話歎きゐて虹濃き-海彦

(記2021/3/13)

(ここからは次下のように「引用句」として載せてまいります)


引用句「歎きゐて虹濃き刻(とき)を逸したり」(橋本多佳子 海彦,181)


(読みかた:なげきいてにじこきときをいっしたり)


句集「海彦」冒頭の句。そして泡(あぶく)へ宛てた句でした。泡をこの句へ導いた訳があった‥というのは哲学に依ります。ばんじさいおうが‥今でも声が聴こえてきそう。ナニ言ってるんだろうって思ってて、その先生の授業の中に「哲学」があって、生れて初めてシアワセと思った授業。その哲学が載ったページは15分足らずで読み飛ばしてお終い。残念で恨めしかった想い出に脱線しちゃいました。歎いてばかりで自分の大事な一生を終えてしまうと幸せのときを知らないままになるからね。


泡には嘆く知恵もなかったみたい。知恵がなければ悔しがることなく・悲しむことなく・負けたくないと思う気持ちも具わらない。知恵のないのが幸いした?そうかもしれない。知恵があることで愉しい時を見ず知らずのままに過ごす人は多いかも知れないな。それで「この句は哲学で読み解くしかない」と思ったのかな。この分りやすい句意が泡の脳裏にすんなり入ってきて、俄然ヤル気が湧いてきたのですね。それまで句集「命終めいじゅう」は殆んど見ていなかったし、それでここで取掛ろうと思った。


お陰さまで「逸したり」したら駄目って母に叱られてたの思いだした。時間・人生は大事に使わなきゃいけないっていつも叱られていた泡なんですよ。

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