第2話 BADEND 2:人生
「自分自身を信じてみるだけでいい。きっと、生きる道が見えてくる」
by:ゲーテ
ある都市の学校に通うマリアと言う少女がいた。
その少女の夢は無く、いつも学校の教室で窓を眺めて
「ウサギになりたいなー」
と、呟く毎日であった。
しかしある学校帰りの時、いつもの様に家に帰る道を歩いていると突然、
ヘリコプターが墜落してその下敷きになった。
気が付くと白い空間に居て、そこに一人微笑んだ姿の男性が立っていた。
男性は、訪ねた。
「あなたは、次の人生で何に生まれ変わりたいですか?」
そう訪ねられたのでとっさに、
「ウサギになりたいです!」
そう答えた。
そう言った次の瞬間、男性の顔からは、微笑みが消えて男性は言った。
「良いでしょう。しかし、人生はいくつもの道があります。その人生を変える
のは、あなた自身の選択です。後悔の無いように選んで行動してください。神はあなたを見ています。」
男性が笑顔になったその時、意識がぼんやりと霞んで次第に辺りが暗くなった。
気が付くと、地面に倒れていた。立ち上がると、辺りのガードレールやコンクリートの塀が高い、いや高すぎた。
廻りを見渡した時ミラーに気がついた。そこのミラーには、白くて小さいウサギの姿が写っていた。
姿を見た時は驚いたが、しばらくすると嬉しさが混み上がった。
「やったー!ウサギに生まれ変わったんだー。これで自由だ!」
叫んで跳び跳ねていたら、巨大な影が現れた。恐る恐る振り替えるとそこには、図体が大きいな男が二人立っていた。その男の手には虫取あみに似たような大きなあみを持っていた。
ウサギはヤバイと感じて逃げたが二人組の男は、大きななあみでウサギを捕えた。
ウサギは必死に抵抗するが、抜け出せない。しかし、とっさの判断であみを前歯で噛みきった。すると、あみが破れそこから逃げ出すことが出来た。
着地した瞬間急いで目の前にあった路地に走り込む。
「ヤバイヤバイ早く逃げないと!」
路地を抜けると道が拓けた住宅街に着いて辺りを見回したらクラスメイトのチハヤが歩いていた。
「チハヤ!チハヤ!」
叫びながらチハヤの元に走って行った時、チハヤと目が合った。チハヤはウサギの元に駆け寄った瞬間、ウサギを背っていたリュックの中にぶちこんだ。
すると、チハヤの元に二人の男達が近づいて来て、一人の男が低い声で訪ねた。
「ここの近くで小さな白ウサギを見ナカッタカ?」
「い、いえ、見てないです。何かあったんですか?」
すると男達は、チハヤの話を無視して来た道を戻って行った。
「何だったんだ?ってか誰?」
チハヤは、男達を見届けると背中に背負ったリュックに話しかけた。
「キミ大丈夫かい?」
ウサギを入れたリュックを背負ってチハヤは自宅に向かった。自宅に着くと、部屋の中にウサギをリュックから出して言った。
「今からご飯を作ってあげるね。外は危ないからここに居た方がいいよ。ご飯は毎日作ってあげるからここで暮らすといいよ」
ー1ヶ月後ー
チハヤは、毎日の様にウサギを撫で回している。撫で回した後、チハヤは顔をニヤつかせて部屋を後にした。
「もうすぐでご飯だよ!今日は記念日だから特別な料理だよ」
チハヤの声がドアの向こうから聞こえてくる。何だか楽しそうな雰囲気。
(体が重く部屋にあった鏡を見たら、真ん丸太った白ウサギになっていた。
もう、何ヵ月になるか良く分かってない。ただ食べて寝てを過ごす毎日、
日々私は何かを忘れていく‥‥‥だけど思い出せない。)
ドアの向こうから何かを研ぐような音が部屋まで聞こえてくる。
(嗚呼、そっか私食べられるんだ。もう動く気力も無い、
逃げる事も出来ない、チハヤが包丁片手に笑顔で近づいて来る。
段々と、バラバラにされていく。何故こうなったのか、私は
何故ウサギになったのだろうか、思い出せない)
BADEND 2:人生
マリアはウサギになりました。 バナナキング @Mysteryman
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