2、最初と最後の「葱頼」Ⅱ
梅雨の季節の中での貴重な晴れの日。連日ずっと雨で、その間、
最初に訪れたのは、海のすぐそばにある公園だ。海が近くにあるため
「涼しい」
「涼しいの」
ふたりはしばらく、ぼーっと海を
いや、白が青に呑み込まれてしまっているのかもしれない説が浮上した。もしそうだったのだとしたら、呑み込まれてしまいそうだった。
公園を後にし、歩いているのは駅に近い、ビルが立ち並ぶ都市部。大
その夜遅く。まろかは執筆活動に
昼間にプチ旅で得たことを小説に取り入れるために、旅の最中で体感したこと、考えたことなどをメモに
闘志という名の炎を燃やして、まろかは筆を動かした。
そして出来上がったまろかの作品。三十枚のギリギリのところまで
これを先生や藤子に見せた時、どちらともに高い評価をもらった。他の部員からも好評だった。
漱哉にも個別で見せた。受け取るときは無口だったが、読んでいる最中には、やわらかな表情になった。いつもの硬い顔がほぐれていた。その顔を見たまろかはうれしくなった。
「これまで以上に向上している。
やわらかな表情のまま、好評の言葉をもらった。まろかは感激してパーッとまぶしい笑顔が開花した。その笑顔を見た漱哉は目を
作品は先生に預かってもらった。全員の作品が揃ったら、文字を打って部誌にするのだ。
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