第一章「弟の人生」

第1話「故郷」

私は、福岡県北九州市八幡西区で生まれ育った



まず、自己紹介から



私は岩城葉月


普通の高校生




私は3人姉弟であった




そんな私には大切な弟がいた



龍人だ



とても可愛かった


あの時から永遠の宝物であった


あれは、龍人が産まれた時



あの産声は忘れない



「もうすぐ産まれますよ!」


看護師さんの声掛けと同時に産声をあげた



母は思わず泣いていた



天使の男の子だった



あれから龍人はすくすくと育ち、気づけば小学生になっていた




その時の龍人は輝いていた



でも、段々と笑顔は薄れていった




なぜなのか



それは後々に触れよう




私が生まれ育った地域は非常に恵が多かった



地域の人も優しかった



だからこそ、私は幸せだった



でも、その日は違っていた


あの悲劇が起きてからは…




私が中3になった頃に龍人は中学に入学した


龍人は相変わらずの優秀で、将来の夢は「医師」だった



そんな龍人は日々塾通い



将来のエリートであった



しかし、翌年から弟は自分を責めるようになった



「お姉ちゃん、やっぱり明高行くのやめたい」


明高……


日本最大の名門、明英学園



東大理IIIを半分以上が合格するという

超エリート高であった


でも、なぜか諦めかけていたのだ


「なんで? 」

私は聞いた



「だって、僕は…」



「僕は?」



「生きる資格は無いんだ」


「龍人!!」


私は思わず、龍人の頬を叩いてしまった


「バカな事を言わないで!」


私はキレた


龍人は泣きながら自室にこもった


私はその後、謝りに行った



反応は無かった



そこから、龍人と話す事は無かった



翌年後、龍人は学校の教室で服毒自殺を図り亡くなった



それを私が耳にしたのは、その翌日の事である


私は悔しかった



そして憎んだ



私も後に追おうと何度も自殺を図ったが、死ねなかった



なぜ、私だけが生きなければならないのか



なぜ、龍人が死ななければならなかったのか



私はいつからか、自ら原因を探るようになった




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天道の希望 E @Eishin

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