第4話 妹に副委員長なりなさいと言われたんだが

「ということで明日から兄さんがやる事を今日言いますね」

どうも俺の妹は俺に彼女を作らせるのに物凄くやる気満々なのだが。

正直今俺はめんどくさいと思ってしまっている。

何故わざわざ彼女を作らないといけないのかがわからない。

まぁ、妹のためだし。それに家族の為に妹が仕事をしていると考えると俺は言う事を聞かなければならい気がした。

「ねぇ、聞いてた?兄さん?」

そう言いながら細目で俺に言ってくる静江。

正直色々考え事をしていて静江が一生懸命話していた事を全部訊いていなかった。

「ごめん、少し考え事をしていた。それでなんだっけ?」

俺がもう一度訊くと頭を抱えながらため息をする妹。

その姿を見てなんだが申し訳ないと思ってしまう。

「明日学級委員長と副委員長を決めると思うので兄さんは副委員長になってもらいます」

また意味の分からない事を言い出した妹に俺は質問をした。

「先生~。なんで俺が学級副委員長にならないといけないんですか~」

静江は俺に指を指しながら「いい質問です!」と先生になりきり始めた。

「それはですね、このテーブルに置いた写真の中に学級委員長になる人がいるからです!」

決まった!みたいな顔をしているがツッコミをしないでテーブルに置いてある写真を見る。

三人の中で見たことがない女性が一人いるので恐らく北沢加恋きたざわかれん工藤冬美くどうふゆみだろう。

北沢加恋は誰もが知っている学年でトップで可愛いと言われている女性だ。

恐らく静江ともいい勝負をするだろう。

決してシスコンではないが。

北沢加恋は誰とでも明るく接していて男子はもちろん女子とも仲が良い。

俺は話したことはないがな。

何故なら俺は話しかけてくるなオーラ全開だったからだ。

特にあの手の女は俺と話すと他の女子や男子がコソコソ俺の事を言ってくる可能性もある。

以前一年生最後のテストで俺は負けてしまったから少し話すのも嫌なんだ。

相手は気にしていないかもしれないが俺は毎回トップだったのでかなり悔し気持ちがある。

過ぎたことはもうしょうがない切り替えていこう。

北沢が委員長になる可能性もあるけどこの工藤冬美も可能性が高い。

工藤冬美この女子も学年でトップで可愛いと言われている。

工藤はかなり真面目な人で北沢とは違いみんなと仲が良いわけではない。

それに噂によるとかなり男子が嫌いだとか聞いた事がある。

女子とは複数人と仲がよく男子は外から眺めるのがいいとかよく言っているのを訊く。

たしかにたまに真面目な子が笑うとギャップがあっていいのかもしれない。

俺はあまり女子に興味がないためよくわからないが。

工藤も委員長になる可能性もある。

俺は二人の写真を眺めながら真剣に考えていた。

すると静江が「どう?わかった?」

「あのな、思ったんだけどこんなのわかるわけないだろう?だって明日決まるのに答えなんて出ないよ」

俺が当たり前の事を言うと静江はうんうんと頷く。

「兄さん、それが答えだよ」

「え?」

「答えは誰になるかわからない。だから副委員長になるんだよ!」

俺はコイツと長く一生に育ったがこんな静江は見たことがない。

いつも正論で返してくる妹が今日はよくわからない事を言い出してくる。

私立の学校で何かあったのだろうか。

「でも、北沢や工藤以外になる人もいるかもよしれないだろ?」

俺が訊くと静江は「ノーノーノー」と言い出してくる。

「兄さん学級委員長なんてやりたい人なんていないんだよ」

「そ、そおうなのか」

「そうでしょ?『私やりたい!』って言う人なんて少ないでしょ?」

「たしかに」

「あ~ゆのはムードメーカーな人や真面目な人がやるの。だから北沢さんか工藤さんどちらかがやるの」

俺はそれを訊いて納得をした。

たしかに今まで自らやりたいですという人は訊いた事がない気がする。

それに去年の一年の時学級委員長とか俺が一人で勉強してた時には勝手に決まっていた。

その時誰がやっていたかを少し思い出そうとする。

たしかうちの高校は一年やったら二年連続でできない。

その時ふと思い出した。

「静江去年の一年の時学級委員長北沢だったから今回はできないと思うぞ」

俺が言うと静江は「な、なんですって~!!」と顔を下に向ける。

いや、そんな悲しかったかとツッコミをいれようとしたがやめた。

静江が立ち直りまで数分後

「では、委員長は工藤さんってことだね!それじゃあ一年間工藤さんと頑張ってね副委員長!」

そう言われ俺はめんどくさい気持ちはあったが「わかったよ」よ静江に言った。



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女子に興味がない俺が義理の妹に何故か彼女を作れと言ってくるんだが 瓢水カケル @TAKU455

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