第六章エピローグ

第32話 エゴのループ

 冷たい感触が、私の額を叩いている。私は静かに目を開いた。眩しい。朝…になったのだろうか。私の額にポツンポツンと落ちる露には、新鮮さを感じる。私は自分の体を無理やり起こした。そこら中が痛む。だが、ずっと寝ているわけにはいかない。帰らなければならない。ここは、どこだろうか。ちゃんと家に帰れるだろうか。不安になった。まさか、十年後もここに居るなんてこと……。あるわけないか。


 私は、独りでいるのが好きだ。どうしてだろうか。


 それから、もう一つ、私には好きなものがある。それは……。


 いや、そう。親が泣く。

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私Aは私Bを呼んだ 源義史 @yoshifumi_minamoto

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