リセット
門前払 勝無
第1話
「リセット」
赤い帽子を被ってダッシュしてレンガを砕いてジャンプして穴に落ちたー。
コンテニューして無理でデータをリセットする。
死ーこれは何を意味しているのか、死ぬとどうなるのか、ただのリセットなのか…。
金も無くて仕事も無くて女も家族も居ないー。天井を見上げながら部屋が明るくなって暗くなるまでぼぅっとしている。
部屋から出るのは煙草を買いにコンビニに行くのと自分のエサを買いに行くくらいである。
だらしなく生きている。
思うことー。
俺の生活は不正確なのか、それとも決められた基準を満たした生活が正解なのか、夢を持たないといけないのか、だらけてはいけないのか、他人に感心を持たずに自分だけを見ていてはいけないのか…。
三年前まで完璧な基準の中で生きていた。
建設系の会社で営業をしていて嫁と子供も居てマイホームで暮らしていたが、突然全てを失った。
今、思うのは三年前までが夢の中で生きていたのではないのか、今が自分の人生の完成なのでは無いのか、確かに三年前まで全てに違和感があった。設計図を読んで作り上げていただけであり自分の意思で生きていたのでは無くて水槽の中で決まった方向へ泳いでいただけなのでは無いのかー。
最初からやり直せるとしたらー。
ダッシュしてレンガを砕いてキノコを食べてポールのてっぺんにある旗に向かってジャンプしたい。
終
リセット 門前払 勝無 @kaburemono
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます