第32話戦の禁止の謎。
約千年前王制の在り方を神は変えた。
これにより諸侯の戦を収めた
神は国家間の戦もその前に収めている。
これは一つの国の消滅が余りの凄さだった為に、絶対にその考えを起こす者がいなく成った。
凄惨極まり無いと言うよりも唖然の方が表し易い。
何も無く成ったのだ。
生き物がいなく成ったのだ。
今は植物は生え小動物等はいるらしい。
ただ人属はいないし、生きて行けない。
人属が入り込もうとすると即座に死ぬらしいのだ。
有無をも言わさず全てを消し去る神の怒りに外国への侵攻は止んだが、国内と成ると各国とも争いは絶えなかった。
国を消し去る事を考えれば、国内的には神はかなりの譲歩をしていると言える。
そこで戦争を失くすのは何故か?、と言う疑問が出てくる。
6歳に足らない前世の疑問を衛士長さんにぶっつけてみた。
「この世界がこの先とてつもなく発展して、夜空の星々に移住出来るぐらいに成らなければ、この世界はいつか滅びます。もしかしたら神様はそ・・・・・」
「・・・この世界の発展より早く来ると思っていらっしゃる。そう考えるのかカルムは」
「多分・・・だから戦争なんてしてる暇は無いと。」
『カルムは─「わっ!」─面白い事を言うのう』
「ビックリしたあ~。もう突然現れるのは無しですよイワレ様。」
『この世界は魔素があるゆえ、科学の発達が少し遅れ気味なのが、一寸気掛かりじゃと、かの神は仰ったえ。カルムの予言はあながち嘘とは言えんな』
『・・・カルムよ。普通鉱山トンネルや峠の道普請は、多くの技術者や工夫が科学力を駆使して施工するものじゃ。突堤もしかり、なのにお主の様な魔力持ちはそれを無視してしまう』
「ご免なさい」
『嫌、お前では無くてこの世の魔素を、科学的に使いこなせぬ上層が悪い』
「イワレ様は魔素と科学を結べば格段に進歩するとお考えなのですね」
『おそらくな、そして妾もかの神上の神は、何かを焦っておられる様に感じるのう』
・・・・・『カルム、数多ある世界には・・・餌と言える世界が有る』
・・・・・「薄々は気付いています」
『そうか・・・』
「多分ここでもその世界でも、それは知らされないでしょう。知ってしまえば悲し過ぎます」
『消滅に間に合わなければ消えるが、知らなければそれで済む。悲しきは他者からの感想に過ぎぬ』
「それを知っても抗おうとするのが生き物です」
『そうじゃのう・・・カルムお主は神に成れる存在かも知れぬな』
「私に有る存在はただ守りたいものを守る。それでしか有りません。生きるものとしての摂理です」
『必要な物と必要な物がくっ付き、或いはいつか離れる。何かに飲み込まれてもそれは、何かが出来る一部分でしか無い。感情を切り離して考えればそれが正しい』
「イワレ様天上の更に上の神とはそう言う方なのでしょうか」
『おそらくな、でなければ精神が破綻するで有ろうからな』
「この世界の神は優しいですね」
『それは果たしてそうかな?』
「・・・そう・・・ですね」
『カルムよこの世界の神が優しいと言うなら、それで許して貰えぬか』
「僕は許しますけど、やはり全てのモノは抗ってナンボでしょうね」
『まっ、だから生き物じゃのう』
「そうですね。・・・終わりはいつ頃でしょうか?」
『妾の感では万年先じゃのう。天空の先を見渡しても、それらしき物は見えぬでのう』
1万年かあ。
流石に想像出来ないや。
でも人類が滅ぶ程の事を神はご存知なんだろうな。
自転車は良かったけど、アシストや自動車は駄目だった。
未だ内燃機関と電気系統は出しては駄目らしい。
雷魔法は有るけど神力に成るとか。
変に頭が固いなこの世界の人は。
そう言えば前世に魔素何て分子は無かったよ?。
あれ?、魔素って集まると生命力を持ってたよね。
あれはウィルスに近いのかな?。
・・・神は人以外を所望かな?。
それとも魔素のAI。
駄目だ僕には及ばない事だ。
色々考えてしまって、哀しく成って来たよ。
「今日はもう寝よう」
「何すっとぼけてんのよ!、まだ昼にもなって無いわよ」
「・・・あれ?、イワレ様や衛士長さんは」
「衛士長さんは今日非番よ。イワレ様かてそんなにしょっ中カルムの相手しないでしょ」
2人の神様の哀歌に触れたからかな。
まるで桃源郷物語だ。
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