第31話天恵って何?。

「カルムおじさん「お兄さんな」・・・天恵って何なのかなあ」

こいつ(ノエル)無視しゃあがった。

「ん~、一般には生活支援の為の神からの恵みスキルらしいけどな」

「それだったら、うちの天恵おかしくない?」

「どう言う事?」

「だってさ、子供は普通小遣いなんて持って無いよ。余程裕福な家は別だけど。それに大人は紙芝居見るより、芝居小屋に行くよ」

「何処かで紙芝居やってみたの?」

「うん何度か場所も変えてやってみたよ。それで分かったよ紙芝居じゃ生活費稼げないって。野菜や僅かな雑穀は投銭代わりに入るけど、現金は貰えないね」

「う~ん・・・そっか」

「生活出来なきゃ恩恵にならないよね」

「そうだね。あれ?、今はどうやって食ってるの」

「おじさ・・・お兄さんがくれたアイテムBOXで運送の仕事請け負ってるから、それが結構な収入に成ってるね。そのついでに色んな所で紙芝居見せてるよ」

「成る程紙芝居は趣味の範疇かあ」

「仕方ないね。」


だからか最近彼女を村で余り見かけない。

「おっ、・・・お兄さん。私ね拠点を町に移そうと思うの。ここだと海運だからアイテムBOXの出番無いのよね。船は大容量運べちゃうし、町なら直ぐに動けるから。良いかなあお兄さん」

「それは君の決める事だよ。だからそれで良いよ」

「でもこのリュック(アイテムBOX)お兄さんから譲って貰った物だし」

「多分ね君がここに来た意味は、現代では稼ぐ事が出来ない天恵と知った、神様の思し召しだよ」

「そうかなあ?」

「そうだよ」

「町での伝手は有るの?」

「うん、三輪車に乗った商人のおじさんが、運送の仕事沢山有るからお願いしたいって。住む所も用意して貰えるのよ」

「ああ、あの人なら安心だね」

「知ってるの?」

「ふふふ、割りとね」



確かに彼女の天恵は少し先を行き過ぎたかもね。

ノエルちゃんは言う。

「何で紙芝居なんだろう」

「現代の仕事なら看板屋とか、それこそ絵描きなんだろうけど。ただ天恵って前世とかその人の願いが、関係するみたいだね」

「神様が失敗しちゃったのかな」

「僕の知ってる神様って色々やらかしてるよ。愛した人が魔物に成って神としての格を無くしそうになったり、長く生きるのに耐えられなく成って魔物になったり。僕みたいなボンクラを王にしちゃったりとかね」

パアーーーン!!。

カルムはイワレによりハリセンの刑に処せられた。

ノエルちゃんスルーしないで。



十年後年後僕は町で頬を少し赤らめて、商人の息子さんと手を繋いで歩く彼女を見かけた。

その数年後には子供を連れたノエルちゃん夫婦に声を掛けられた。

彼女は時として護衛であり、時として子供を連れた長距離輸送屋さんでも有る。

あっ、護衛はリュックに付属したガーディアンゴーレムと、結界魔法が担ってるけどね。

お転婆さんにはあれは必要だから。

後にノエルの旦那さんは独立して遠い町に拠点を移した為、ノエルちゃんとは殆ど会えなく成ってしまった。



僕はウェステラさんと死別したり、数百年経って子孫なんかも殆ど来なく成った今も、天恵って何だろうと思いながら生きてる。

神による生活支援スキルは間違い無しだが、それをどう生かすかは個人次第なんだろうな。

僕は適度に神に怒られ無い様に、時には母の無い子の・・・違う。

時には神に相談しながらイヅモヤを使っている。(高額な物や環境的な物が有るので)

・・・・・6歳に成る前に死んじゃった前世って多分昭和だね。うんっ。



ウェステラさんが他界してから相当永く生きてるけど、恋はするよ。

一度だけウェステラさん以外の女の人と暮らしただけ。

ただ僕の見た目はずっと老人なんだよね。

何せ村の子供から仙人のじっちゃんって呼ばれてるからね。

ウェステラさんと同じ様に老けてそこからは、もう仙人暮らし。

食事はイヅモヤで買ってる。

神様カード様々だね。

まさに僕には生活支援スキル。

でもねさびしい。

本当にさびしい。

二百五十年の記録を更新してから、最長の王に成って二千年は永い。

最近はウェステラさんに会える事だけを想い続けてる。

イワレ様、僕はさびしいんだ。



色々な人を見続けて来た。

これがこの物語の根幹なんだよ。

うん。未だ続くよ。

色んな天恵知ってるから、追々話すね。

個性的なのから、神様馬鹿なのってものまで。

パアーーーン!!。

お決まりのイワレハリセンが決まった。

イワレ様、イヅモヤは充分に馬鹿過ぎるよ。

パアーーーン!!。





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