第24話南半球か?。

ある日イヅモヤの家電コーナーでテレビを観て思った。

それは台風情報。

明らかに日本列島では無いし、サウスヴィーグ大陸アウストラ国とある。

マーチン公爵領エニフグ村と小さく表記された所が有った。

台風は逸れたがこの村、海は北に面しているのだ。

台風と表記はされていたが、この熱帯低気圧は北から南へ向かって来た事になる。


この村は年間通して気温の変化は少なく、温暖で過ごし易い。

台風が赤道の少し下で発生したのを見ると、ここは間違い無く南半球だろう。


かなり西の方に大きな島と言うか大陸みたいなのが有って、スンボール国と書いてある。

アウストラ国の方が大きいが、サウスヴィーグ大陸の下の方には、アウストラに面した他の国々が有った。他の国々はアウストラよりは小さいく数が多い。


なんか初めてこの世界の地理を部分的に知った。

ウェステラさんに聞くとその事は割りと知ってた。

家庭教師に教わったと言う。

う~ん、この国教育水準上げたいけど、・・・議会に提言してみようかな。

義務教育と成るともう少し国の経済力が必要かな。


しかし、天気予報がこの世界のものだと言うのは助かる。

日本列島の天気予報では役に立たないもんね。

イヅモヤ様々だね。


僕が生きてる限りイヅモヤは潰れないのかな?。

イワレ様に聞くとやはりそうだった。

『アホかお主は、潰れたら天恵にならんじゃろが』

と一喝されたよ。

イワレ様曰く。

『因みにな、天気予報の天恵は漁師が数人持っておる』

・・・知らなかった。

だから海難事故少なかったのか。


そう言えばイヅモヤって・・・。

(いずも)じゃ無いよな。

八百万の神々が集まるのは出雲(いずも)で有って(イヅモ)では無い。

『お主気が付くの遅いな、お主が買い物をしていた店は、イヅモヤでは無いぞえ』

「あっ!」

してやられた。

前世の記憶なので気が付かなかった。

あれは地名なら(和泉)に成るやつで、それに屋号の屋だ。

『イヅモヤは妾の創ったお主への天恵じゃ』

・・・今考えると当たり前だ。

大体、水死体みたいな名前のアニメの魔法の扉とか、魔法のポケットとか有るわけ無いよな。



ボカッ!。

『ドザエモンを馬鹿にするなー』

今この人自分でドザエモンって言ったよ、ドザエモンって。


「イワレ様、ず~と南下したら南極大陸とか有ります?」

『有るけど行くのは無理じゃぞ』

「ですよね。何処でも扉は」

『行っても死ぬぞ』

「ですよね、宇宙より遠い所ですものね。・・・熊さん装備は?」

『着ぐるみの外周が凍って動けん様に成る』

「やっぱり、止めときます」



「・・・・・」

『前世で言うなら高校生じゃ、あちこち行きたいじゃろな。』

「なんて言うか、ウェステラさんの側には居たいけど、何処かに行きたいのも有ります。子供がお腹にいるのに、我が儘なんですよね僕の」

『ある程度自分の責任が分かっとるのならええじゃろう』


「なにもよりもウェステラさんと子供が大事だし、この村も好き過ぎて他所に魅力も感じるかなんて、その辺はよく解りません」

『そうじゃな、カルムはあちこち冒険をするタイプとは、・・・違うかもな』

「お客さんの話でもこの村は暮らしやすい様ですね。景色も良いし、僕はこの海が好きだから」


根無しの冒険者や旅商人さんの話には、かなり不条理な話や扱いが多い事を、カルムは知っていた。


幾山川越え去り行かば・・・。

桃源郷と言うのは以外と。

















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