第18話そうだ漫画を売ろう。

ある日「何で着ぐるみを着てるの暑いのにって」・・・そこで説明の為に【くまさんクマさんべあー】の漫画を売ろうと思った。

銅貨三枚にしようかなと思ったら、それは銀貨1枚で売るように神様が言った。

「千円は高いでしょう」

『この世界で本は未だ高いし、印刷技術も違うから』

成る程。

その後この漫画は飛ぶように売れた。

ワダツミ島から遊女さん達も色々な漫画をこぞって買いに来た。



奥さんも大好きみたいだ。

オムツ換えながらページめくってる。

オムツを換えを見ながら思った。紙オムツ・・・いや、止めとこう。あれを大量販売するとまずい。

色々な意味でまずそうだ。

漫画なんて図書でも貸本屋でも出来るが、それとは意味が違う。

世の中には出さない方が良い物もあるのだ。

だからタバコもカンピーしか売らない。勿論刻み煙草も有るけど、それは大きな町なら買える。

あえてJTの刻み煙草を売る必要は無い。

カンピーは匂いが特別良いから。

フィルター付きは環境破壊に繋がる事を考えている。


結構神様から駄目出しされる商品も有るのだ。

冷蔵庫は僕の魔法として売れない商品のひとつ。だから熊の着ぐるみも売れない。なんでもポッケから出た物は売れないのだ。



そんな事を考えていたら。

「あの水売ってません?」

「あっ、有りますよ」

「良かった。この革袋に入れて下さい。このサイズでおいくらでしょうか」

「・・・ん~、銅貨1枚で充分ですね」

「えっ!、安いですね」

「そこいらの井戸でしたら、多分タダでくれますよ。ここの村は地下水が枯れた事は無いので」

「そうなんですか有難う御座います」

「いえいえ」

まあ、船乗りさんはこの港で水を補充するからね。

売損じたけど、タダの方が良いだろう。

ペットの2リットルを持ち運ぶのはちと重たいしね。


焼酎に関しては船乗りさんは港まで運ぶけどね。飲んべえだから。



「あのう・・・焼酎って有りますよね」

「はい有りますが、持ち運ぶのはちと重たいですよ」

「いや、その容器の方を・・・」

「ああ、容器ね。水用ですか」

「はい」

「なら三リットルの水ごと買われます?」

「水も有るんですか」

「はい、お酒が必要無いならその方が良いかと」

「お酒余り飲まないですから、水の方で」

「はい、銅貨1枚です」

「随分安いですね」

「焼酎なら銀貨1枚ですけどね」

「有難う」

「いえいえ、毎度」

港の方に行かれた。

長旅の御客様かな?。

ダッダッダッ。

「はあはあ・・・」

「どうされました?」

「あの、漫画、漫画を下さい」

「あー、船内は暇ですものね。何冊いります?」

パンフレットを出してみた。

「えっと・・・」

5冊売れたよ。しかも熊のやつ5巻全てお買い上げ。

嬉しいね贔屓の漫画売れると。

結構西の端まで行かれるとか。

アザールって町らしい。

今度何処でも扉で行きたいな。

子供がもう少し大きく成ったらかなあ。


そう言えば新婚旅行とかしてないなあ。

ごめんね奥さん。


数日してやけに村の中が騒がしい。

衛士さんに何か有ったのか聞いてみると、どうも隣町と王都との街道で盗賊が出たらしく、百年ぶりだと言ってた。

十数人と少し多い。

村では自警団を組織にした。

僕も熊さん着ぐるみで、いつでも魔法が使える様に、まるで常時コスチュームプレイだ。


早く捕まらないかな。

あー、駄目だ。

そんな事を考えたらヤバイ。

此方に来そうな気がする。

止めよう止めよう。


二日後遅かった事態に・・・。






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