第172話 サクソン防衛戦

「パズズよ、人間ごときにてこずるとは・・・」

「も、申し訳ございません、ですが、奴等は対悪魔用の装備をしてまして・・・」

パズズは頭を床につけながら、ハデスに謝罪をしている。


「ならば、お前が前線に立てば良かろう。」

「し、しかし、私は指揮官でありまして・・・」

「関係ない、死にたく無ければ、さっさと行け。」

「はっ、はい!いって参ります!!」

パズズは飛ぶように前線に向かっていった。


前線ではオズマとサクソン王オーディンがパズズの部下を葬りながら、会話をしている。

「オズマ、さすがは剣聖と呼ばれるだけはあるな、見事な腕前だ。」

「オーディン、誉めても何もでないぞ。

それよりこのエクスカリバーの切れ味は凄いな。相手が豆腐のように切れていくぞ。」

「神話の時代から伝わる宝剣だからな、その剣には魔を払う効果もある。

戦っている悪魔どもには効果抜群であろう。」

「へぇー、そうなんだ。これはいい剣を貰ったな。」

「その分働いて貰うぞ。」

「当たり前だ、仕事はするさ。」


オズマは話をしながらも目の前の悪魔を切り刻んでいる。

そこにパズズがやってくる。


「貴様らのせいで我が殺される所であったわ!人間は大人しく死ぬがよい!」

パズズは巨大な火の玉を作り出しオズマに向けて放った。


「でかいな、だが・・・」

オズマは剣を縦に振り抜くと火の玉を斬った。

「なっ!我の魔法を!」

パズズは驚きを隠せなかった、自分の魔法が人間ごときに斬られ無効にされるとは考えてもいなかった。


「死ぬがよい!」

パズズが少し呆けていた瞬間にオーディンが間合いを詰め、槍を繰り出す。


「この程度で我を討てると思うな!」

パズズはすぐさま間合いをとろうと離れる。


「甘いわ!穿てグングニル!」

オーディンは槍を突いた勢いのまま手放す。

すると槍がパズズに向かい神速の速さでパズズに向かい飛んでいく。


「な、なんだこの槍は!」

パズズは慌てるが時既に遅し、槍がパズズの腹を貫く。

「がっ!」

槍はパズズを貫いたあと、オーディンの手元に戻った。


「オーディン、凄い槍だな。」

一連の流れを見ていたオズマは驚きの目で見ていた。


オーディンの槍グングニルから出る神聖な波動は悪魔の動きを遅くする効果があった為にオズマとしてはそういう武器だと思っていたが、まさか、自動で飛んでいき、神速で相手を貫くとは思わなかった。


「これも神話の時代から伝わる、槍だからな、普通とは違うのだよ。」


「ぐっ、人間ごときが・・・」

腹に大穴が空きながらもパズズはまだ生きていた。

「ほう、しぶといな、しかし、もう戦えまい、今楽にしてやろう。」

オーディンは再度グングニルを投げる。


槍は頭を貫かれそうになる、その瞬間!


「俺の部下に何をする。」

ハデスが槍を弾く。

「ハデス様。」

「パズズ、情けないな。だが、頑張りは認めてやろう。少し下がっておけ。

あとは俺がやってやる。」


「お前が魔族の長か?このグングニルの錆となるがよい。」

オーディンは槍を構え、戦闘態勢をとる。


「ハデス様が戦うまでもありません、此処は私が。」

タナトスが前に出て戦おうとするがその前にオズマが立ちはだかる。

「其処の魔族さん、大将の一騎討ちに邪魔はヤボってもんだ、それより俺と戦いな!」

オズマは剣を構えてタナトスを挑発する。


「いいだろう、すぐに片付けてやる。」

ハデスとオーディン

タナトスとオズマの戦いが始まる。




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