第171話 ハデスの攻勢
一方、アベルが修行している間、ハデス達は魔界に来て敵対勢力を駆除していた。
「我はアスモデウス、魔界を統治する王なり!それを貴様ごときがぁ!!」
「うるさい、消えろ。」
ハデスが剣を振るうとアスモデウスが真っ二つに斬れる。
「魔界も身の程知らずが多くなったものだ。」
「如何にも、ハデス様に逆らうとは愚かな奴です。」
「まあよい、こんな奴でも、我が糧になろう。」
ハデスはアスモデウスの魂を喰らう。
「多少はマシになったか。」
「ハデス様、今暫くのご辛抱にございます、必ずやハデス様のお力を集めて御覧にみせましょう。」
タナトスはハデスの力の残滓を探していた。
「ふむ、頼むぞ。この状態で奴等とやり合うのは無理があるからな。」
ハデスは警戒していた。
かつて魔界を統べ、最強を自負していた頃、神に選ばれし者達に襲われ、撃退した後、神ゼウスにこの身を滅ぼされた。
何時また来るかわからない、それまでに何としても今まで以上の力を手に入れなくてはならなかった。
「タナトス次は何処だ?」
「はっ、次は・・・お喜びください。ハデス様のお力の一つが見つかりました。」
タナトスの使い魔から連絡が入り、ハデスの力を感知したと報告がきた。
「何!何処にある?」
「地上のサクソンという国に1つ、ギレン公国に1つある模様です。」
「何2つも見つかったのか?それは良いどちらから行こうか?」
ハデスは嬉しそうにタナトスにたずねている。
「それならばパズズにサクソンを攻めさせて、我等はその間にギレン公国の力を手に入れましょう。」
「ふむ、奴の忠誠心を試すか、良かろう、パズズに命じろ。
我等はギレン公国に向かうぞ。」
「御意」
こうしてサクソン王国にパズズが攻めて来ることとなる。
そして、ギレン公国は・・・
「ふむ、こんなところか?弱いな。」
ハデス達は国境を無視してそのまま王城に着く。
術により、気配を消している二人を察知出来る者はおらず、公王ギレンの元に二人は辿り着く、文官であるギレンに二人を止める術はなく、あっさりと殺されてしまった。
「して、タナトスよ、力は何処だ?」
「しばしお待ちを。」
タナトスはギレンの懐から鍵を奪う。
「宝物庫に向かいましょう、其処にございます。」
「それならそのまま向かえば良かったのではないか?」
「それが神の封印を解くのにこの鍵が必要なようにございます。」
「なるほど、ならば向かおうではないか。」
二人は宝物庫につき、奥の厳重に封印されている部屋に来る。
「ここか、感じるぞ。俺の力の波動を!」
封印を無視して進みそうなハデスをタナトスは静止する。
「御待ちをすぐに扉を開きます。」
タナトスは鍵を使い封印を解く。
「ハデス様、どうぞ。」
「うむ!」
ハデスは中に入る。
其処には黒い球状の物が置いてあった。
「おお・・・我が力の欠片が・・・来るが良い我と共に再び最強になろうぞ。」
ハデスの呼び掛けに答えるように球状の物はハデスの中に入っていく。
「力が漲る!」
ハデスの魔力が明らかに上がっていた。
「おめでとうございます。」
「うむ、さあ次の力を取りに行こうか」
「はっ、パズズに合流致しましょう。」
二人はパズズの元に向かった・・・
公王ギレンを殺された公国は有力勢力に分かれ、各自の判断で行動を開始し始めた、中にはギレンの仇を討とうとするものもいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます