第169話 訓練2
修行を始めて2年、俺はまだスサノオの元で修行を積んでいる。
スサノオいわく、術で時間の流れを遅らせているようで実際には2ヶ月ぐらいとの事だ。
スサノオの修行は身体強化、剣の修行、術の修行をしているが、一つクリアすると難度が上がり、失敗と共に激痛が襲ってくる。
「大体身についてきたか・・・」
倒れている俺にスサノオがそうつげる。
「ほ、本当ですか?」
「うむ、まだ精進は必要だが一応は戦えるだろう。」
「それでは!」
「では明日、竜を倒してもらおう。かつて俺が倒した奴だ、覚悟して挑めよ。」
翌日、俺は竜に挑む。
「準備はいいか?」
「はい。」
「ならば行くぞ。」
スサノオは竜を顕現させる。
その竜は頭が八つある竜であった。
「ヤマタノオロチだ、武器はこれを使え。」
スサノオはごく一般的な刀を渡してくる。
「これでは斬れないのでは?」
「風を纏わして斬るのだ、普通に斬ればすぐに折れるからな。さあ、やれ。」
俺とヤマタノオロチの戦いが始まる。
俺は身体に風を纏い、距離を詰める、刀に風を薄く纏わせ斬る!
多少のキズは入ったが、鱗が固く刃が立たない。
「刀への風が弱すぎる!斬る瞬間に爆発的に付与するのだ!」
スサノオの助言に従い、今度は刀が当たる瞬間に魔力を込めるが、当たらずに逆に尻尾でカウンターを喰らう。
「刀を意識しすぎだ、もっと全体を見ろ。」
俺はスサノオに助言をもらいながら戦い続ける。
そして、やっと頭の一つを切り落とせた。
「やった!このまま!」
「ふむ、やっとか、よしならば此処からが本番だ、俺は休んでいるからさっさと倒してこい。」
スサノオがこの場から離れると、ヤマタノオロチの頭は八つに戻っていた。
「マジか・・・くそったれ!やってやる。」
俺はスサノオの言葉に従い戦い続ける。
しかし、ヤマタノオロチの回復は早い、一つ切り落としても他の頭を切り落としているうちに回復してしまっていた。
そして、俺は何度もダメージを受けても死なないから何とかやっていけているが、実際に戦っていたらとっくに死んでいるだろう。
「くそっ、どうすれば・・・」
俺は攻撃を避けながら考える、ただ単純に斬っただけじゃダメだ、何か別の手を・・・
その時、俺の中で何かが閃く!
「八門遁甲、天英!」
俺の中から大量の神力が失われるが代わりに巨大な刀が現れ、周囲をグルリとなぎ払う。
ヤマタノオロチの八つの頭を切り落とす。
「い、今のは・・・」
「やっと使えたか。」
「スサノオさま、今のは何でしょう?」
「あれは八門遁甲という、俺の術の一つだ、見ての通り、周囲をなぎ払う術だ。
さてと約束通り俺の加護をやろう。」
「えっ、ありがとうございます。」
「受けとれ。」
スサノオから光の玉が飛んできて俺の中に入る。
「そうだ、もちろん痛みも伴うがいいよな?」
俺はその言葉を最後に意識を失った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます