第167話 訓練1

俺はスサノオに斬りかかっていた。

「甘い!」

スサノオは隙の有るところを斬る。

「ぐっ!」

どうやらこの世界は精神の世界のようで、身体がどれだけキズついても死ぬことがない、ただ、痛みは残っている為、斬られると激痛が走る。


「何を痛がっている、来ないなら此方から行くぞ。」

スサノオの剣を受けながら、俺は体勢を立て直そうとするが、蹴りで足払いをされ、転けた所を刺される。


模擬戦が終わった後は身体強化だ、

この時はスサノオの術により、身体とリンクを繋げられ、鍛えた分だけ強化されるらしい。

ただ、身体にかかる負荷も大きいようで最初に身体が一定時間再生するポーションをかけられる。


そして、身体が潰れそうなほどの重力をかけられて走らされる。

しかし、最初一歩が重く、中々進めなかった所、スサノオの術により強制的に動かされる。

ただ、自分の力以上で身体を無理矢理動かしているために全身に激痛が走る。


「ぐあぁぁぁぁ!」

「何、最初だけだ、すぐに筋肉となり身体が鍛えられるからな。ほら行くぞ。」

俺の激痛にもお構いなしに身体を動かされる。

ポーションがきれた頃、やっと身体とのリンクを切られる。


「次は術だな、ほれ簡単な術からいくぞ。」

身体が激痛で動けない所に、スサノオは頭の中に術を書き込む。

「どうせ、普通に教えると時間がかかるからな直接書き込んでやる、少々痛いがいいだろ。」

「ま、待って・・・ぐあぁぁぁぁ!」

俺の静止も聞かず、スサノオは頭に術を施し始めたと思えば、頭が割れるような激痛が走る。


「今、書いているのは風を操る術だ、使いこなせば便利だぞ。」

スサノオは気楽に言うが俺はそれどころではなかった。

身体も頭も激痛に苛まれ、痛みで意識を失いたいのに失えない。

そんな日々が続く。


一週間が過ぎただろうか、俺の身体は何とかスサノオの重力になれてきたようでカラダノ痛みがマシになってきた。


それに伴い、身体の動きも良くなり、スサノオの剣技にもついて行くことが出来だした。


「ふむ、やっと初期段階をクリアしたな、次は術を使いながらの戦闘だ、身体に風を纏い速度をあげてみよ。」


俺はスサノオに教わった術、神風を纏う。

この術は纏った部位の速度を上げる。

スサノオの話だと、攻撃にも防御にも使えるようなのだが、俺にはまだ足に纏い速度を上げる事しか出来なかった。


「まだまだ遅い!折角術を授けてやったのだから使いこなさないか!」

スサノオの言葉に俺は術の出力を上げるがたちまち制御不能となり壁に当たる。

「未熟者!」

スサノオに斬られる。

「ぐはっ!」

「もっと効率良く術を使え!」

俺の地獄はまだ続く・・・

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