第158話 厄払い

「いいですか、何があってもここからでないで下さいね。」

俺とリリーはタマさんに連れられキョウにあるタマさんの神社の奥に来ていた。


「はい。」

リリーの表情は堅い、それもそのはず、これから大事な物を失うのだ・・・


「ごめんね、リリーこんな形でなんて。」

「いいんですよ、アベルさんの助けになるのですから、でも、優しくしてください。

私、初めてなんです。」

「ああ、優しくするよ、でも、俺も初めてなんだ、余裕が無かったらごめんね。」

「えっ、アベルさんも初めてなんですか?」

「う、うん、恥ずかしながら・・・」

「ううん、初めてでよかったです。

私が初めての人になるんですね。」

「そうなるよ。」

「ふふ、セイ様に勝てる所が1つできました。」

リリーは嬉しそうに微笑んでいる。


「いや、セイと比べたりはしないけど。」

「それでも、セイ様は王女様でみんなに慕われてて、私なんかと比べ物にならないぐらいに綺麗だし・・・」

「リリーも充分可愛いよ。」

「そこは綺麗と言ってくれてもいいんですよ。」

「リリーは可愛い系だからね。」

話しているせいか、リリーの表情から堅さが抜ける。


「アベル様、リリー様、準備ができました。祭壇に横になってください。」

巫女服に着替えて真剣な顔をしたタマが声をかけてくる。

俺は祭壇に上がり服を脱ぎ横たわる。

そして、タマに呪印を書かれた。

これにより、四肢の動きは封じられ、動けなくなった。

「アベル様、儀式の間、動かれても困りますので、動きを封じさせてもらいました。

少々不自由をかけますがご容赦を。」


動けなくなった俺の横に

リリーが白いローブを纏い、待機している。

「リリー様、私が指示しましたら、してください。

決して、指示の前になさらないように。」

「わかりました。」


「では、始めます。」

タマは祈りを始めた。

すると、女性の姿が祭壇奥から現れる。

タマは祭神、玉依姫命を招来する。


「願い奉る、厄災に捕らわれし者に救いの手を。」

タマの言葉に玉依姫命は答えたのか、部屋が光輝き、俺に書かれた呪印から黒い物が流れ出すが光に当たり消えていく。


「くっ!」

体内から流れ出す物に少し苦しくなってきた。

「アベル様、それが陰の気です。それが尽きたら身体も回復致します。

少々苦しいですが耐えてくださいませ。」

タマはそう告げると、呪文を唱え出す。


俺は横を見るとリリーも苦しそうにしていた。

「リリー大丈夫?」

「はぁはぁ、ダメです。もう私・・・」


「タマさん、リリーが!」

「リリーさんもう少し耐えてください、あと少しですから。」


「で、でも、もう私、我慢が・・・」

「えっ?」

よく見るとリリーは頬を赤く染め、目をトローンとさせている、その姿は苦しいというよりは気持ち良さそうにしていた。


「リリー?」

「もう、ダメです・・・まだですか?私変になりそうです。」


「いいですよ、リリー様、アベル様と1つになってください。」

タマの声でリリーは待ちかねたように上にまたがってきた。


「すいません、アベルさん、はしたなくて・・・でも、もう無理なんです・・・」

リリーは腰を落としていく。


「ん、んん、あっ!あぁぁぁ!」

リリーは一瞬止まるが覚悟を決めて一気に腰を落とした。


息をきらしながら、

「これで私達1つになりましたね。」

笑顔を俺に向けるが、瞳の端には涙があった。

「リリー・・・」

俺とリリーは口を重ねる。


「さあ、いきますよ。二人とも頑張ってくださいね。」

タマは呪文を唱え、部屋に溢れる光をリリーの身体を通して俺に注ぎ込む。


「これは・・・ぐっ!」

身体の芯に響くような痛みを感じる。

「アベル様、耐えてください。」

タマは出力を上げる。


「ぐあぁぁぁぁ!!」

「アベルさん!あっ、何これ、やっ、きちゃう!」

リリーはあまりの快感に達しようとしていた。

「リリーさん、いくらでも達してください。

その時が一番陽の気を送り込めますから。


・・・もし、途中で力尽きても代わりは用意してます、遠慮なく達してください。」


リリーは快感でボーとする頭で思い出す。

別室に何名かの女の子が自分と同じ姿で待機していたことを・・・


「いやです!知らない人にアベルさんを渡したくありません!」


「なら、頑張ってください!

私も頑張りますから!」


リリーの達したのに合わせて大量の陽の気を送り込む、しかし、中々陰の気は無くならなかった。

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