第154話 サチの宝物漁り

テルトラの薦めでアベルが温泉に向かっている時、サチは宝物庫を漁っていた。


「これは・・・ちがう!」

サチは見つけた刀を鑑定したあと放り投げる。


「それ国宝!!」

ヨシテルが悲鳴をあげるが・・・


「お兄ちゃんうるさい!邪魔しないで!」

サチは聞く耳がない。

そして、サチが放り投げた刀をテルトラが拾い。

「ふむ、いい刀だな、サチ貰っていいか?」

「アベルを助けてくれるならいいよ。」

「なら貰っておく。」

刀を腰にさした。


「それ国宝だって!」

「お兄ちゃんうるさい!」

「あなた、サチさんも忙しいのよ。相手にしてくれないからって騒がないの。」


「ハル、そうじゃない。」

「あら、このネックレス綺麗ね、サチさん、これ貰っていいかしら?」

「いいよ。」

「良くないよ!!」


「もう、お兄ちゃんさっきからうるさいよ、邪魔しないでよ。」

「いや、国宝なんだから、もう少し大事に扱ってくれないか?」

「どうせ、長年放置して溜め込んでるだけなんだからいいでしょ。」


「それはそうなんだが・・・」

「あとこれだけ持っていくね。使わなかったら返すから。」

宝物庫の2割はなくなっていた。

ヨシテルの顔色が青くなる。


「アベルを救う為だけじゃなく、タナトスという国難にあたるんだから、惜しむ所じゃないよね?」

サチの言葉に肩を落としながら・・・

「持ってけ、正し、無事に勝つ道具を作るんだぞ。」

「うん、準備が出来るなら私は負けないよ!」

サチはこれより研究に入る。

傍らにはテルトラが様子を見ていた。


一方、ハルは連絡役として残っていたサスケを呼び出す。

「サスケ、これをアベルの元にいるセイに渡してください。」

ハルは宝物庫から持ってきたネックレスを厳重に箱に詰め、サスケに預ける。


「これは?」

「アベルの助けになると思うものです。

もう、あの人ったら、こんな時でもなければ宝物を出し惜しんでますからね。

使えるものは使える人に渡さないと。」


「それは一体・・・」


「うーん、あまり知らない方がいいのよ、サスケは私に頼まれて届けた、それだけの方が貴方の為になるのよ。」


「わかりました。必ずやセイ様にお届け致します。」

「ああ、待ってこれも持っていって。」

1箱の荷物を渡された。

「アベルに似合うと思って買っておいた服とアクセサリーなの、ついでに届けてくれる?」

「はあ・・・わかりました。」

サスケは荷物を抱えて、出発した。


「サチさんには負けられません、母の座は私のものよ!」

ハルは間違った気合いを入れていた。




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