第138話 王は・・・
謁見室に辿り着くと王と魔法使いの姿があった。
しかし・・・
王は魔法陣の上に寝かされており、ドロッとしたものが王の中に入っていっており、何かの術の最中のようだった。
「お前が黒幕か?」
俺は魔法使いに問う、
「いかにも、思ったより早いものだな、オウカの力を見誤ったようだ。」
「そうか、じゃあ、ついでに死んどけよ!」
俺は神速で突っ込み、首をとろうとするが、見えない壁に弾かれる。
「結界か?」
「当然だ、この愚か者めが!この大魔道士マーリンの命が簡単にとれるはずがないであろう。」
「この程度でなめるなよ!」
俺は結界を斬る。
結界がなくなった瞬間、ムナシゲが飛び込み槍を繰り出す。
「無駄だ!」
マーリンは土の壁を出し、ムナシゲを止める。
止められたムナシゲは距離をとった。
「其処で大人しく見ているがいい。」
「お前は何をしているんだ?」
「くくく、これから世界は生まれ変わるのだ!」
「なに?」
「見よ、この愚かな王の生まれ変わる姿を!」
魔法陣がひかり、王の姿が変貌していく。
それと共に魔力の増大を感じられる。
「ふはは・・・成功だ!これで魔神が復活するぞ!ワシを見下した魔王もこれでワシに跪くしかあるまい!」
マーリンの高笑いが響きわたる。
「お主がそれを見ることは無いがな」
話している間にソウゴンがマーリンの後ろに回っていた。
そして、刀を振り下ろす。
「無駄だ!剣など・・・」
ソウゴンの剣はマーリンが張るマジックシールドを無いもののように切り裂いた。
「な、なぜ・・・」
マーリンが驚きの顔のまま絶命した。
「ワシの刀を魔力盾で止めれると考えたお主の失敗だ。」
「ソウゴン見事だね。」
その一言につきた、
俺とムナシゲが止められたのに、冷静に気配を消し後ろに周り、刀が届く位置まで近付いたソウゴンが見事だった。
もちろん、マジックシールドを切り裂く技術も見事なものだが。
・・・俺達が話している横で王が人ならざる異形の体に変貌を遂げた。
「しまった!」
俺達が気付いた時には王だった者が立ち上がっていた。
「うむ、良き目覚めだ、我を讃えるが良い。」
「やかましい!」
俺は剣を振るい斬りかかる。
だが、俺の腕を掴まれた。
「なに!」
「礼のない奴よ!このタナトスが目覚めたのだ、祝福せよ!」
掴まれた俺の腕が砕かれる。
「ぐっ!」
「アベルさま!」
ムナシゲが俺を助けようとタナトスに挑む!
「邪魔だ!」
タナトスは俺をムナシゲに投げつけ、吹き飛ばす。
俺とムナシゲは壁に激突する。
「ぐっ、ムナシゲ大丈夫か?」
俺はムナシゲを回復させる。
「ありがとうございます。しかし、先に御自身をお治しください。」
「いや、俺はムナシゲのお陰でキズは浅いが、お前は内臓をやってるぞ。先に治さないとな・・・」
ムナシゲは俺と壁に挟まれ、かなりのダメージをおっていた。
「脆いのぅ、所詮は人か、だが動きは良かったぞ、ほめてやろう。」
タナトスは余裕なのか俺が回復させているのに気付きながらも追撃をかけてこない。
「タナトス、お前は何者なんだ?」
ムナシゲの治療をおえ、自分を治しながら聞いてみる。
「我は死を与えるものだ、かつてこの国を支配しておったのだが、憎き勇者に邪魔されてのぅ、強固な封印を施されておったのじゃが・・・
其処の死体のお陰で復活を遂げたわ。」
「そうかい、ならもう1度眠りについてくれないか?永遠にな!」
俺は治療をおえ、タナトスと向き合う。
「良い気迫じゃ、もう良いのか?
ならば、今一度向かって来るがよい、お主らは肩慣らしに丁度よいのでな。」
俺は身体強化スキルをフルに使い、さらに竜魔法で強化、体の限界をこえて能力を上げる。
「行くぞ!」
俺はタナトスに再度斬りかかる!
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