第134話 アーサーの裏切り
「なぜだ!オウカならまだしも、何故あの寄せ集めすら突破出来んのだ!」
アーサーの怒りのあまり周りにあたっていた。
「落ち着きください、すぐに突破出来ます。しかし、本当に宜しいのですか?」
貴族軍の主力を率いるガングラン侯爵がアーサーに問う。
「何がだ、ガングラン?」
「いえ、オウカとの同盟を破棄なされてよかったのかと?」
「かまわん、見よ、父上の軍に奴等は敗れているではないか。」
「陛下の軍にございますか?」
ガングランにはただの魔物の群れにしか見えない物をアーサーは軍と呼んだ。
「そうだ、父上はオウカとの戦いに備えていたのだ。私はそれを見抜く事が出来ずに父上に歯向かってしまった・・・
しかし、父上はお優しいお方だ、私が謝罪すれば許されるであろう。」
「しかし、オウカとの戦いが終わったあと、我等に向かって来ませんか?」
「来る筈がない!父上が我等を本気で滅ぼす訳がないではないか。
見よ、父上の軍が向かっているのはオウカだけではないか!」
確かに魔物はオウカにしか攻撃をしていなかった。
その為にガングランは迷う、あり得ない話だが自信満々に語るアーサーを見ていると、王家に伝わる秘宝か秘術があり、魔物を召還する事が出来るのかもしれないと思い始めた。
「わかりました、これより主力を投入して勝負を決めて参ります。」
「うむ、任せたぞ。」
「はっ!」
ガングランは自身の精鋭隊を集め、突撃を行う。狙うは一番脆さがあるユリウスだ。
対するユリウスはガングランの攻勢に押され続けていた。
「踏み止まれ!ここが正念場だ!」
ユリウスが叫ぶが遂に崩れ出した。
ユリウスの近くまで敵兵が現れるようになり、最終防衛の護衛のみになっていた。
「悪いな少年、その首もらった!」
ガングランの先陣を率いていた男がユリウスに突っ込んで来た。
ユリウスは目をつむり覚悟を決める・・・
しかし、いつまでたっても敵が来ない、
もしかして、もう死んでしまったのか?
ユリウスが目をあけると其処には先程自分に向かってきた男が力なく倒れていた。
「なっ!何事だ!何があったんだ!」
ユリウスは周りに問うと、
「ユリウスさま!援軍です!援軍がまいりました!」
アーサーの背後に多数の軍勢の姿が見えた。
どうやらあの距離からの遠距離射撃で助けてくれたようだ。
「何者なんだ?」
目を凝らして見るとオウカの旗がひるがえっていた。
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