第132話 開戦!

「放て!」

魔導砲の一斉射撃を行い、一時的に敵を蹴散らす!

その隙に突入部隊は全速力で王城を目指した、

「俺に続け!」

俺は先頭をきって突撃を行う!

「アベルさま!お待ちを!無理はなさらないでください!」

ムナシゲも俺を追うように追従する。

「邪魔だ!」

俺は群がる敵を斬り倒し突破する。

「どけ!」

ムナシゲも俺に続き馬を駆る。

「アベルさま!城門が閉じておりますが!」

ムナシゲが聞いてくるが、

「問題ない!」

俺は天叢雲で城門を切り刻む、

城門は音を立てて崩れ落ちた。


「先を急ぐぞ!」

俺達は城内に突入した・・・


一方、残された者達は・・・


ドウセツが檄を飛ばす。

「皆、良く聞け!今、アベルさまが城内に突入して状況を打破しようとなされておる。

我等家臣の被害を押さえる為にだ!

我等は良き主君を持ったと言えよう・・・

しかし!それで良いのか!

お前達は守られるだけの弱い存在か!

我等は強くなったのではないのか!

異形な姿がなんだ!

敵が強いからと恐れてどうする!

お前達には守る誇りがあるだろう!

我等が惜しむは命では無いぞ!

名こそ惜しめ!

今一度奮い立つのだ!」

ドウセツの言葉に士気が上がる。

ドウセツは精鋭隊が抜けた穴を士気を上げることで乗り切るつもりだった。


そして、長い戦いが始まる。


開戦から6時間、未だに決着はついていなかった。

ドウセツは短期戦を切り替え、休憩を取る部隊を作り、休ませながらの戦いに切り替える。

しかし、敵の攻勢は激しく、ドウセツも前線に立ちながら戦線を維持していた。

「ドウセツ、何か手は無いのか?」

チカヨシはこのままでは長くもたない事に気付き、打つ手を探していた。

「苦しいところだな、皆、頑張ってくれてはいるが・・・」

ドウセツも苦しい事に気付いていた。


すると、背後から悲鳴と剣擊の音が聞こえた。

「何事だ!」

ドウセツが後ろを確認すると、

アーサー率いる貴族軍が我等オウカ軍に攻撃を仕掛けていた。


前方に集中し、

後方には負傷者と休憩所を構築していた為に手薄になっていた。

そこを突かれたのである。


「あのゴミが!!」

ドウセツは怒りが込み上げる。

そもそも、ユグドラシルの為に戦っているのにそれを裏切るとは!


しかし、救いもあった、

ランスロット、ユリウス率いる新設軍が貴族軍を襲撃、貴族軍は新設軍との交戦に入った。

ひとまず息をつげたドウセツは部隊を再配置、後方にも備えを整えた、

しかし、前方に敵との挟撃の形となり、徐々に押され始め、敗戦の気配が漂っていた・・・



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