第131話 王都に侵攻!
王都に到着するまでに各地の貴族が兵を集めてやって来ており、
その為、オウカ軍1万6千、
エンで徴兵された軍5万、
集まった貴族軍6万、
かなりの大軍となっていた。
アーサーは貴族軍に合流した、貴族達も王太子のアーサーを持ち上げ、意気揚々と進軍する。
エンで集めた兵は本来アーサーが指揮することになっていたが、アーサーが不在になった為にランスロットとユリウスが指揮をとることとなり、特にユリウスは慣れない指揮に困惑しながらも何とか纏めあげ進軍していた。
それから王都が近付くまで敵の軍勢を見つける事は出来なかった。
「おかしいな・・・周囲に敵の動きはないか?」
俺の問いかけに偵察隊は首をふる。
「何か見落としが無いか引き続き警戒を頼む。」
「はっ!」
俺は偵察隊を周囲に散らせ伏兵に警戒するが、王都が見えてくると・・・
「なんだ、あれは・・・」
王都は黒い霧のような物に包まれ、上空には何かの魔法陣が浮かんでいた。
その光景は不気味の一言につき、オウカ兵ですら恐怖をおぼえるものもいた。
「ぐ、ぐんをさげ、さげよ!」
意気揚々と先頭を行っていたアーサーは王都を見るなり、軍を最後方に下げる。
その動きを見て・・・
「あ~情けないなぁ、ドウセツ俺達が前に出るぞ。」
「はっ!全軍前進、戦闘態勢に入れ!」
俺達は前線に出て戦の準備を行う。
「アベル!ドウセツ!急いで進軍して!あの魔法陣を止めないと!」
何やら考えていたサチが慌てたように進軍を言い出す。
「母さん、どうしたのそんなに慌てて・・・」
「あれは、あの魔方陣は魔族を呼び出す召還陣なの!あんな大規模な魔法陣聞いた事もない、何が来るか予想が出来ないの!
何としても発動前に止めないと!」
サチの言葉に、
「全軍、王都に突撃!急ぐぞ!」
俺の言葉が終わる前に魔法陣に動きがある。
上空の魔法陣からドロッとしたものが落ちてくる。
それは地面に落ちると形を作り、魔物の姿となった。
そして、俺達に襲いかかってくる。
「全軍、来るぞ、気を抜くな!」
しかし、魔物は強く、1対1ではオウカ兵と互角だった。
「複数で当たれ!後方援護射撃開始!」
2対1で何とか勝ててはいるが魔法陣が止まる様子はない。
「母さん、軍をお願いします。」
「アベル、何をする気!」
「少数精鋭で突っ込んで魔法陣を作ってる奴を倒します!」
「危険です!止めなさい!」
「このまま戦い続けるとオウカ兵達の被害も大きく、止められても俺は行きますよ!」
「そんな・・・待って私も行くわ!」
「・・・母さんは軍を頼みます。誰かがいないといけないし。」
「それならドウセツに任せれば!」
「ドウセツも残ってもらいますが母さんの無事が一番です。」
「アベル!」
「母さんを安全な場所へ、絶対に目を離すなよ。」
「はっ!」
「待ちなさい!アベル!止めて、母さんもついて行くから!ねぇ、無理は止めて!」
兵士はためらいながらも叫ぶサチを抱えて連れていく。
そして、重臣を集めて会議を行う。
「さて、まずはみんなに謝っておく、すまなかった。
俺の見込みが悪かった、ショウウンが合流してから王都に侵攻すべきだった。」
俺は深く頭を下げる。
代表してドウセツが答える、
「そんなことはありません、このような事を予測するのは難しいでしょう。
それに遅刻しているショウウンが悪いのです。」
家臣達に笑いがおきる。
「じゃあ、これからの話をしよう。
俺とムナシゲ、ソウゴンは精鋭隊で王城に突入する。」
ドウセツは反対する。
「なりません!アベルさまは此処に残られて指揮をお取りください!突入は我等だけで充分にございます。」
「いや、此処は俺が行くよ、俺ならみんなを回復させれるし、何かあっても対応出来るとおもう。」
「しかし!」
「それに母さんもいるからね、少しは無茶も出来るよ。」
「何をおっしゃいますか!アベルさまの身も大事にございます。」
「まあ、今は体を張るときだよ。
さて、ドウセツ、チカヨシは此処に残る軍を率いて敵の数を減らしてくれ。
アキツグは母さんを見張ってくれ、抜け出しかねんからね。」
「くっ、致し方ございません。ムナシゲ!必ずアベルさまを無事に帰還させるのだぞ!」
「当然にございます!」
「じゃあ、みんなよろしく頼むよ。突入は魔導砲で一斉射撃を行ったのを合図に開始する。残る方も味方が減るから苦しいと思うけど頑張ってくれ。」
「「ははっ!」」
俺達は行動を開始する。
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