第130話 サチに答えるために
母の無茶振りに答えるために、全軍総動員で事にあたる。
占領されたノースを奪還するためにショウウンがサイガ衆を連れて出陣した。
そして、アーサーとの会談で得た領土にチカヨシ達屯田兵が食料生産地を作る。
元々あった魔物が生息していた森は俺達が出陣してから片付けていたようで領土になったと決まってから大規模開発を始めた。
出来上がった畑を難民として集まって来ていたもの達に与えて生産力を上げる。
また、魔道具も惜しみ無く使用、土地の栄養分を増やし、成長力を強めることで早い収穫を可能とし、出来た食料を随時全線に送り出していた。
輸送についてもサチが開発した、魔道ゴーレムによる鉄道システムが完成する。
これは鉄のレールの上に乗せた箱をゴーレムが引っ張り目的地まで運ぶシステムだが最大5トン、最速時速40キロまで出せ、これにより輸送力が大幅に上がる。
母は、列車がートーマスがーと意味のわからない事を言っていた。
新たに得た領土が軌道乗った事で侵攻を開始する。
侵攻とは言っても食料を積み上げ、傘下に入る所に配るだけだがこれが上手くいっている。
そして、職の無いものを軍として編成、訓練を行い、軍の強化、各地に割いた防衛軍を抜いて7万の軍勢が出来上がった。
そんな中で、報告が届く。
「アベルさま、アーサーに謀反の動きあり。」
「うーん、謀反とは少し違う気がするけど、どうやって謀反するんだろうね。」
「軍を使用するみたいですが・・・」
報告に来た人も困ったように話す。
新たに編成した7万の軍勢の多くは飢える切っ掛けを作った、ユグドラシル王国に恨みを持っており、アーサーが指揮をとるのは不可能に思えた。
「あーランスロットが指揮すれば動くかな?」
「無理だと思います、彼は嫌われてはいませんが、あくまでもアベルさまの友人という認識のようですので・・・」
「なら、放置しておくか・・・監視だけはよろしく。」
「はっ!しかし、今のうちに始末した方が早いのでは?」
「ユリウスさまの顔を立ててるからね。実際に謀反を起こすまでは放置しよう。
ユミナ、ユリウス、ハインリッヒの護衛は頼んだよ。」
「はっ!万全にしております。」
そして、次の報告が来る。
「アベルさま、王都の様子がおかしいです。」
「なに?どうおかしいの?」
「食料を集めていた筈なのに市井に出回っておらず、多くの者が飢えております。
また、城に結界が張られ、中を覗く事が出来なくなっております。」
「軍はどうなってる?」
「それも姿が見えないのです。周囲の駐屯地にもおらず、城の中かと思われますが、それだけの軍勢が入れるとは思えず・・・」
「変だな・・・ドウセツ、ムナシゲ、チカヨシに連絡を、出陣準備を。」
「はっ!」
俺はなにやら不安を感じつつ、急ぎ軍を編成し、王都を目指した。
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