第123話 母を見つける。

俺達はエデの村につく、

道中サクソンの部隊と多少遭遇したが全て凪はらってたどり着いた。


先行して調査を行っていたサイゾウが報告にやって来た。

「アベルさま!見つかりました!」

「おお!」

サイゾウの声にみんなからも歓声がおこる。


「よくやった、よし、行くぞ。」

「ハッ!」


俺達はサイゾウの案内の元、東の森に入って行く。

「此方にございます。」

サイゾウに案内された先にあったのは洞窟であった。

「この中に?」

「はい、サチさまがおられます。」

「あまり広くなさそうだな。」

「中は少し広くはなっておりますが、狭いですね。」

「ドウセツ、ムナシゲ、あとサイゾウ達とソウゴンはついて来てくれ、ショウウンは残った軍を頼むよ。」

「「はっ!」」

俺は少数で中に入っていく。


サイゾウの言うとおり、中は少し広くなっており、一番奥の狭まった所に・・・母、サチがいた!


「おかあさん・・・」

俺が駆け寄ろうとすると、サイゾウが止める。

「アベルさまお待ちください、あまり近付くと動けなくなってしまいます。」

俺は時を止めているという話を思い出した。

「ああ、そうだったな、しかし、どうすれば・・・」


俺はサチの手前に置かれている魔道具が目に入った。

それは起動しているようで、淡い光を発していた。

「サイゾウ、あれを止めればいいのではないか?」

「はい、そう思いますが、魔族が向かってくる事を考えて準備するのがよろしいかと。」


「そうだな、すまん、どうも気が急いて・・・」

俺は深呼吸して少し落ち着こうとする。


その間にサイゾウ達は照明を洞窟内全体に配置して見えやすいようにしていた。

そして、俺は固まる、よく見えるようになるとサチの姿が痛々しかったのだ、右腕、左足が無い。

そして、サチを守っていたのだろう、サチの前に一人の男性が前向きに倒れていた。


そして、その向こうに多数の魔族の姿が光の届く範囲一杯にいた。

「なるほど、奴等がサチさまを・・・」

ドウセツの怒りに満ちている。


「誰か魔道具を止めれるか?」

魔道具の扱いが得意なモチヅキが確認するが・・・

「無理です、停止させる機能が見つからないのと触ろうとすると動けなくなってしまいます。」

そういうとモチヅキが石を軽く投げる、すると魔道具に当たる前に石が止まった。

「なるほど、どうしたものか・・・」

俺はふと空間収納のスキルを思い出す。

・・・いけそうだ。

俺はしまえるか確認すると魔道具をしまえるとわかる。

「魔道具は俺が何とか出来る、あとは時が動き出してからだが、ムナシゲ突撃できるか?」

「勿論にございます。」

「ムナシゲを先頭にドウセツが補佐を、サイゾウは母を、サスケはその前の男を連れて俺のところまで下がってくれ、二人を治療する、二人を助けたらムナシゲとドウセツは一時広間まで下がって広い所で迎え討つ。ソウゴン、は広間で待っててくれ、ドウセツ、ムナシゲが下がったら戦闘になる。」

「「はっ!」」

「お待ちを!」

モチヅキが進言してきた。

「魔導砲を設置致しましょう。」

「なに?」

「穴奥に向かい魔導砲を設置しておけば少しは楽が出来るかと。」

「いい考えだ、すぐに設置してくれ。」

モチヅキの進言通り、魔導砲を設置、各所に防御壁も建設して此方に優位な状態を作る。


「いいか!これより母を助ける!みんな気合いをいれろ!」

「「おお!」」

「GO!!」

俺は合図とともに魔道具をしまう。

そして、時は動き出す。

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