第100話 剣のスキル
セイがユミナとリリーと話し合いをしている時、俺は・・・
二日酔いで倒れていた。
前日の宴で家臣たちに呑まされ続け、気がつけば朝まで呑んでいた。
そのせいで頭が痛く、動けなくなっていた。
「兄ちゃん、情けないぞ。」
ルークに叱られるが・・・
「すまん、ルーク。頼むから・・・静かにしてくれ・・・」
「はぁ、ほれ水持ってきたよ、飲んで。」
「ありがと、助かるよ・・・」
それから回復するのに昼過までかかったが・・・
「あ~やっと、動ける・・・」
「兄ちゃん、酒なんて止めなよ。何が美味しいんだ?」
「ルークも大人になればわかるさ。それより、なんでルークがここにいるんだ?」
「兄ちゃん聞いてないのか?最近、剣の稽古つけてもらっているんだ。」
「へぇー誰に習ってるの?」
「ソウゴンさん、凄く剣が上手いんだ!」
「ソウゴンさんって、剣客のトップの人じゃん。」
「うん、兄ちゃんの弟って言ったら、教えてくれるって。」
「それはお礼に行かないとね。」
「じゃあ、兄ちゃん今から行こう!」
「いや、まだ二日酔いは抜けきれてないから・・・」
「行くよーーー!」
俺はルークに手を引かれ訓練場に来た。
「アベルさま!」
訓練をしていたみんなが膝をつく。、
「あー俺の事はいいから訓練続けて。」
俺の言葉に訓練が再開される。
心なしか激しくなったような・・・
俺はソウゴンさんを見つけて近寄る。
「ソウゴンさん、弟が世話になってます。」
「アベルさま、良くお越しくださりました。ルーク殿はなかなか見込みがありますな、さすがアベルさまの弟です。」
「ありがとうございます。今後も鍛えてやってもらえますか?」
「お任せあれ、一流の剣士にしてみせましょう。」
「頼みます。」
「兄ちゃん!折角来たんだから兄ちゃんの腕も見せてよ。」
「ここの人達と比べられるのは恥ずかしいな。」
「そんなこと言わないでやってみてよ。」
「あーじゃあ、誰か相手してくれるかな?」
みんなが我先にと志願してくる。
「静まれ!ここはワシが相手するのが筋であろう。皆はみておれ。」
ソウゴンは周りを一喝して、自分が相手になると伝えてきた。
「それでは、よろしくお願いします。」
俺は木刀を持ちソウゴンさんと対峙する・・・
斬り込めない、迂闊に入ると一瞬で片がつきそうだった。
「アベルさま、来ないと始まりませぬぞ。」
ソウゴンさんに促され・・・
俺は剣術スキルを発動!
スキルに身を任せ斬りかかる。
「ほほう、いい太刀筋ですな、」
しかし、ソウゴンは全てを見切り、ミリの距離でかわしている。
「ソウゴンさん、見事ですね。」
「ほっほっ、年の功ですじゃ、しかし、アベルさま、あまり宜しくないですな・・・」
そう言うとソウゴンが攻め出した。
「くっ!」
俺は受け止めるのがやっとだったが・・・
気がつくと首筋に剣を当てられていた。
「まいりました。」
「アベルさま、修練が足りておりませぬな、スキルに頼りすぎでございます。」
「それはどういう事ですか?」
「スキルというのはあくまでも補助でございます。確かに太刀筋も鋭くなり、動きも良くなります。
ですが型が決まっております。発動時の身体の動きで予測する事も出来ます。強者と戦う時には注意なさるべきかと。」
「そうなんですね・・・自分が未熟なのがわかりました。ソウゴンさん、俺も教えを受けてもいいですか?」
「ええ、是非、アベルさまの腕が上がれば危険からも避けることが出来るでしょう。」
俺はソウゴンさんの元で時間のある時に剣の修練に励む事になる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます