第83話 シマズの侵攻
トモオ家、当主ソウリン。
「何故シマズがでばって来るのだ!」
「殿、如何になさいます。」
「知れておろう、ここは我等の領地である、容易くやられるものか!戦の支度をしろ!」
ソウリンはただちに軍を起こし、シマズと戦いを決意する。
「ほう、トモオもやっと戦う気になったか、しかし、遅いなぁ。」
既にトモオ家領都ナイフまで来ていた。
トモオ指揮官タカノブから問いかけられる。
「シマズよ!何故我が国に攻めてきた!」
ヨシヒロは答える。
「義を知らぬ、トモオの者よ。お前達が謀略で貪ろうとした相手は我等シマズの大恩あるかた。そのような真似を許す事はできん!
我等の正義の刃を受けるが良い!」
「侵略者が何を言う!こうなれば我等も刀にてお相手致す。覚悟召されよ!」
タカノブはすぐに軍を展開、シマズの突撃に備える。
タカノブは戦の才がある優秀な軍人である。
突撃の強いシマズを相手に正面に柵を厚く作り、侵攻を止め周囲から包むよう弓を射かけ。数を減らす作戦だった。
「何としても防ぎきれ!持久戦になれば此方の勝ちだ!」
タカノブは陣に籠り、柵の向こうから槍の牽制でシマズの足を止めさせ、優位に戦況を動かしていた。
「くそ、タカノブめ、陣に籠りおって!こうなれば、我等も覚悟を決めよう!
よいか!これより我等修羅となる! 仏と会えば仏を斬り!! 鬼と会えば鬼を斬る!! スキル修羅道発動!」
ヨシヒロは自身の集団スキル修羅道を発動させる。
このスキルは自身に従う者の戦闘力を爆発的に向上させる代わりに参加者全員の寿命を一年縮める、諸刃のスキルだった。
唯一の救いは参加は本人の自由なのだが、
シマズの兵は迷わず全員が参加を選択する。
「タカノブさま、シマズ兵に矢が刺さりません。」
「タカノブさま!柵が破られました。」
「くっ、あれがシマズの修羅道か。よいか!あのスキルは長続きしない。耐えしのげ。」
タカノブが時間稼ぎを命じるも、修羅に入ったシマズを前にトモオ軍の兵は徐々に逃げる者が増えてきていた・・・
其処に空からタカノブの陣に爆撃が来る。
空から飛龍に乗った部隊の爆弾投下により、タカノブの陣内各所が被弾。それにより各部隊長にも乱れが生じ、統率が取れなくなった所から兵が雪崩を打つように逃走を始めた。
「空から攻撃?となるとワジマの空戦隊、皆のもの、サチさまの援軍が来たぞ!我等の進軍はサチさまが見られておられる。命を惜しんで恥ずかしい処を見せるな!!全軍突撃!!!」
「おお!」
爆撃により陣が崩壊している所にシマズが殺到する。
「チェスト!!」
統率を失った場所から入り込んだシマズ軍は次から次にトモオ軍の兵を斬り進んで行く。
近接戦闘が始まるとシマズ兵の強さにすぐにトモオ軍は崩壊する。
向かってくるシマズ兵を前にトモオ軍に戦う兵はいなくなっていた・・・
「くっ、耐えられん!城まで引くぞ!」
崩れた陣から一点突破をはかるシマズ軍に耐えきれず、タカノブは退却を選択するが・・・
「見つけた、大将首だ!クビをおいていけー!」
しかし、あまりに早い突破力に
退却前にシマズの兵に見つかり、タカノブに殺到する。
「タカノブさま!おにげ・・・」
近習達が立ちはだかるが、一刀の元に斬られる。
「何処に行く・・・まだクビがついてるじゃないか。」
群がるシマズ兵にタカノブはなす術はなく・・・
「無念・・・」
タカノブはシマズに首をとられる。
タカノブの戦死の報告はナイフに籠るソウリンに届けられた。
「なっ・・・タカノブが死んだのか?」
放心しているソウリンに新たな報告が・・・
「正門が、・・・空からの爆撃により破壊されました。これだと籠城も難しいと思われます。」
「し、ししゃをだせ!和睦致す。早くしろー」
ソウリンは和睦の使者を出したが、結局認められたのは降伏だけだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます