第43話 進攻軍の末路
「なに、夜襲?テュールは何をしていたんだ!」
「それが・・・テュール将軍は深酒の為に起きることも出来ず、周りに連れられ一時的に陣を離れていました。」
「何をしているんだ・・・フレイ、あなたはすぐにノース攻略軍に行きテュールの代わりに指揮官をつとめなさい、テュールにはそのまま部隊長として攻略戦に参加、今回の失態は武功で返せと伝えてください。私は敵の進攻軍を壊滅させたあと合流します。」
「わかりました。すぐに参ります。」
フレイが去ったあと、ロキは愚痴が漏れる。
「くっ、厳しいなぁ。テュールの奴め普通に城攻めぐらいしろよ。」
ロキは軍を動かし素早く壊滅させるよう、総攻撃を開始する。
「ケイさま、ルーカン将軍討死!」
「くっ、先陣の状況は!」
「もう、壊滅的です、皆疲労と空腹で動きが悪すぎます。」
「後陣壊滅、ガレス将軍の生死は不明との事です。」
本隊の指揮をとるケイの元に悲報ばかりが届く。
そして、ケイは決心する。
「全軍前に向かい突撃!敵が少しでも怯んだら全力で逃げろ!この軍はもはやこれまでだ!」
「ケイ将軍!」
「私は最後まで諸君の道を切り開いて見せよう。」
ケイは最後の突撃を敢行する。
既に囲まれ、降伏か全滅かという選択肢の中、ケイは玉砕を選んだ。
「カイン、駄目だよ、もう死んじゃうよ。」
「黙って攻撃しろ!」
カインとマインは決死の逃亡に入っていた。
ケイが突撃した瞬間、敵の陣が少しだけ乱れ、森の中に進路が出来た。其処に二人は軍から離れ逃亡にうつる。
しかし、すぐさま追手が来ており逃げながら戦うを繰り返していた。
「マイン!火魔法で森を燃やせ、盛大にだ!」
「う、うん。」
マインは森に火をつける、何発も今ある魔力を振り絞り周囲を燃やした事で追手の追撃が止まる。
たった二人の一般兵を追うには被害が出すぎたからだ。そして、ケイの猛攻も追手の足が止まった理由でもあった。
「よし、逃げるぞ!」
「ま、待って!」
二人は森を通り数日かけて上手くノースの町まで戻る事が出来た。
ノースの町はまだ落ちていなかった。
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