第39話 ランスロット苦戦する
「なんだ、拍子抜けだな。今までの将軍達は何をしてたんだ。」
ランスロットは要塞ラグナロクを前にして増長していた。
ここラグナロクを落とせば、首都を守る物は無くなる、後は掃討戦を行うだけだ。
そして、要塞ラグナロクも既にかなり損壊しており、落城は時間の問題と思われた。
「ランスロットさま!一大事にございます。」
「どうした、トリスタン騒々しい。」
「輸送隊が襲われました。」
「なに?仕方ない護衛を増やして対応すれば・・・」
「それが、敵は要所に兵を置かれ保管所と我等を分断しております。」
「なっ!何故そのようなことに。」
「申し訳ありません、完全に見落としていました。占領地域故に抜けて来られるとは思わず。」
「ぐぬぬ!仕方ない、ガレスに命じ、補給路を確保させろ。」
「伝令!左翼ガレス将軍側面より奇襲に合い交戦中、暫し城攻めは控えるとのこと!」
「伝令!右翼、ケイ将軍、側面より敵の猛攻に合い苦戦、援軍を要請しております。」
「くそっ!ガレスに至急撃破するように伝えろ!ケイには何としても持ちこたえろと!トリスタン、城攻めは任せる、俺は五千の兵を率いて補給路を確保してくる。」
「ランスロットさま、危険にございます。その任私が!ランスロットさまは此処で全軍の指揮を!」
「なに、俺の親衛隊は精鋭揃いだ、敵の野戦陣地など即座に破壊してくれる、」
「わかりました。くれぐれもお気をつけて。
」
「うむ、皆行くぞ、調子にのっておる蛮族どもを討ち取ってくれるぞ!」
ランスロットは王都から連れてきた中でも精強な兵士五千を連れて、補給線に出来た敵の拠点を攻撃する。
「蛮族どもが!勇気があるならかかってこい!」
ランスロットは自軍の先頭に立ち鼓舞しながら突撃を敢行する。
「あれが敵総大将だ、皆討ち取れ!」
サクソン軍もランスロットを狙い襲いかかるが、ランスロットの武勇と兵の強さに阻まれ討ち取る事が出来ない。
「ぐわははは・・・所詮は蛮族どもよ!」
ランスロットの勢いは止まること無く敵陣を切り裂く。
しかし、立ちはだかる男がいた。
「若いの勇ましいな、俺が相手になってやろう。」
「誰だお前は?」
「サクソン王国将軍トール!いざ尋常に!」
サクソン王国1の武勇を誇るトールとランスロットが一騎討ちを開始する。
トールが振るう戦搥をランスロットは交わしながら斬りかかる。それをトールは戦搥の軌道を変え受け止める。
「なかなか、やるな!蛮族にしては惜しい腕だ。」
「そちらも王子さまとは思えぬ武勇だ!」
「ぬかせ!」
ランスロットは更にトールに斬りかかるがトールも同じく戦搥を振るい、互いに一歩も引かない、互角の勝負を繰り広げていた。
しかし、ランスロットの足が止まった事で勢いも止まる事となる。そして、足が止まった軍は周りを囲まれる事になる。
「ランスロットさま!」
「どうした!」
「後方に敵が!」
「クッ!俺が戦線に戻るまでルーカンに部隊を指揮させろ。」
「余所見してる場合か!」
「クソッ!」
ランスロットは兵の指揮を取りたい所だが目の前のトールがそれを許してくれない。
「ランスロットさまを助けろ!」
カインの声に兵が動き、一騎討ちの邪魔をする。
「カイン、よくやった!」
「ぐぬぬ!卑怯者めが!一騎討ちを何だと思っておる!」
悔しがるトールをおいて、ランスロットは指揮にもどる。
「ルーカン指揮を代わるぞ。」
「はい、ランスロットさま。」
しかし、既に軍はすでにかなりの兵が討ち取られており、敗走寸前となっていた。
「クソッ!仕方ない退くぞ、俺についてこい!」
ランスロットは切り抜けラグナロクにいる本隊まで撤退する。
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