第40話 撤退
「ランスロットさま、ご無事で何より。」
「トリスタン、慰めなどいらん、それより城はどうなっている?」
「それがまだ今しばらくはかかるものかと。」
「クッ!兵糧は残りどれぐらいある?」
「あと1週間分といったところです。」
「ランスロットさま、此処は兵糧のあるうちに撤退致しましょう。」
「城を落とさずにか!」
「はい・・・現状既に我が軍は囲まれている上、補給線の遮断も兵に伝わり、士気も低下しております。たとえ城を落とせてもこれ以上の進軍は無理かと。」
「クソッ!」
ランスロットは近くにあった椅子を蹴り飛ばし苛立ちを抑えようとする。
「ランスロットさま、ここは辛抱が肝心かと!」
「わかった、撤退する・・・ケイに先頭を任せる俺はその後を、後陣はガレスだ。追撃されぬよう、緩やかに退くぞ。トリスタンお前は俺と共に来い。」
「ハッ!すぐさま手配致します。」
トリスタンが部屋から去ったあと。
ランスロットは敗戦に声無く泣いた・・・
サクソン王国
ラグナロク内、軍師ロキ
「そろそろユグドラシルの奴等は撤退するでしょう、各将軍に連絡、追撃準備をしておいてください。」
ロキの指示が各地に潜ましていた各将軍にとぶ。
これによりランスロットの退却は地獄とかすのであった。
「ロキさま、お見事でございます。」
ロキを褒めるのは側近のウルであった。
「褒めてくれるのは嬉しいですがあなたも出陣準備をしてください。」
「ロキさまも出るのですか?」
「もちろんです。サクソン王国に遊ばせておける兵などありませんから。ラグナロクにはオーディン王と直属の兵千を置いて後は出陣です。」
「千って少なくないですか?」
「まあ、敵は撤退しますからね、それよりここで叩いて二度と攻めて来ないようにしなければ。」
ロキの狙いとしては侵攻軍を完膚なきまで撃破し、ノースの町まで落としたあと交渉にて停戦、多額の賠償金を請求する予定だった。
その為にもまずは侵攻軍を潰す為に全力を尽くす必要があった。
「ロキよ。」
「オーディン王。」
ロキは臣下の礼をとる。
「よい、それより気をつけて行くのだぞ。」
「ハッ!必ずや敵を追い返してみせます。」
「うむ。期待しておる。」
オーディン王の言葉の後にロキは出陣する。
それはサクソン軍の総力をかけた追撃戦の始まりだった。
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