第35話 任命
国王の元にハインリッヒから手紙が届く
「ふむ、なるほど。」
「父上、ローエン公爵はなんと?」
「援軍の将にアベルを指名してきた。」
「アベルさんを、ですか?」
「うむ、どうやらユミナ嬢と結婚させて義息子として率いらすつもりのようだ。」
「父上、如何なさいますか?」
「ハインリッヒがそう望むなら叶えてやろうと思う、変な者が将に任じられると、敗戦濃厚の時には助けに来ぬからな、ハインリッヒが心配するのもわかる。」
「しかし、アベルさんに勤まりますかね?」
「それは心配だが、なるべく優秀な者をつけるようにしておこう。」
「最悪、飾りですか?」
「そうなるかも知れん、全てはアベルの器次第だな。」
俺はハインリッヒの出発を見送った後、
俺は悩んでいた。
軍を率いるのにも俺は軍人の経験はないどうすれば・・・
悩んだ末、たどりついた答えは、
『ないなら、あるところからいただこう。』
だった。
そして、やってきた軍の共同墓地。
此処には戦争で亡くなった多くの身元不明の人を弔っている。
魂を吸収しますか?
スキルからの質問がきた。
『はい』
スキルを習得いたしました。
各種スキルを整理します。
・・・
斧術Ⅳ、剣術Ⅵ、槍術Ⅵ、体術Ⅴ、弓術Ⅵ、馬術Ⅴ、回避Ⅴ、気配遮断Ⅲ、神聖魔法Ⅷ、結界Ⅶ、回復魔法Ⅵ、火魔法Ⅴ、土魔法Ⅴ、水魔法Ⅵ、風魔法Ⅳ、探知Ⅳ、鑑定Ⅲ、錬金術Ⅱ、生活魔法Ⅱ、礼法Ⅲ、清掃Ⅲ、料理Ⅳ、疲労軽減Ⅱ、体力向上Ⅲ、遠目Ⅲ、威圧Ⅳを習得しました。
集団スキルを獲得しました。
士気向上Ⅴ、統率Ⅳ、行軍速度向上Ⅲ、扇動Ⅳ、鼓舞Ⅵ
ユニークスキルを獲得しました。
空間収納Ⅲ、神速Ⅰ、聖域Ⅴ、魔力回復Ⅳ、獣使役、意志疎通
ソウルイーターⅡ
残り魂1352
各種攻撃系スキルが向上した上、集団スキルと言うのが取れた。
俺は墓地に手を合わせ、その場を後にした。
屋敷に帰るとユミナが声をかけてくる。
「アベルさま、何処に行っていたのですか?」
「少し準備に行っていた。何か合ったの?」
「国王陛下から連絡があり、急ぎ登城するようにとの事です。」
「わかった、直ぐに向かうよ。」
「私もお供をします。さあ、馬車の準備は出来ていますので此方に。」
俺はユミナと一緒に城の謁見室に入る。
「アベルよくきた。」
「遅くなり申し訳ありません。」
「それはかまわん。急に呼びつけたのはワシの方じゃからな、して、ハリンリッヒの望み通りアベル援軍の将に任じる。1週間もあれば5千は集まるであろう。それを率い、各町で兵を募りながらローエン領都エンに向かってくれ。予定としてはエン到着は1ヶ月後とする。そして、エンで訓練を行い、いつでも出れるようにしておいてくれ。後は状況に合わせてだな。」
「ハッ!」
「それと副将を紹介しておく、ジャック男爵入れ。」
「ハッ!お初にお目にかかります、ジャック・フォン・モレーでございます。以後お見知りを。」
「アベルです。えーと家名はまだないです。子爵をしております。よろしく。」
「ジャック、アベルを支えて軍の纏めるのだぞ。」
「ハッ!身命をとしまして任務にあたります。」
「アベル、ジャックは若いながらも軍部の評価の高い男だ、困った事があれば彼を頼るといい。」
「ハッ!」
「よし、ならば、アベル子爵を将軍に任じる、援軍の将として恥じぬようにな。」
「御下命承ります。」
「あと、ユミナとの婚姻、ワシの名で認めよう。くれぐれも戦場で散ってユミナを未亡人にせぬようにな。」
「もちろん死ぬ気はございません。ハインリッヒさまも含めて生きて帰ってくる所存にございます。」
「うむ、頼もしき言葉である。」
謁見室を出たあと、
ジャックが話しかけてくる。
「アベル殿、幕僚や部隊長に推薦者がいるなら早めに知らせてください。これより1週間である程度は編成致します。」
「ジャック殿は候補がいるのかい?」
「私もこれからになりますが、何人かは候補はいますね。」
「では、4日待っていただきたい。よろしいですか?」
「ええ、私も4日を目処に考えて声をかけてみます。」
「では、4日後に。」
俺はジャックと別れる。
「アベルさま、指揮官に候補がいるのですか?」
ユミナは不思議そうに聞いてきた。
「オズマに声をかけてみようと思う、アイツに先陣やらしたら強いだろ?」
「貸しを使うのですか?」
「ああ、今回みたいな時に使わなくていつ使うんだって感じだからね。」
「・・・受けてくれますか?」
「受けなかったらそれまでの男だったって事だろ?」
俺は城から退出しながら、ユミナと話合っていた。
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