第28話 ケガの治療
「オズマ、どうする。やりあう気か?」
俺は剣から手を離さない。
「やり合う気はない、それより、腕を治してもらいたいだけだ。」
「俺が治すとでも?」
「頼むよ。リリーちゃんも仲介してくれ。」
「はぁ、この状況で言いますか?あなたのせいでこんな混乱が起こっているのに!」
「俺にとっては重要なんだよ!」
「リリーさん、どういう事ですが?」
「オズマさんは腕を治す為に私の護衛をして王都に来たんです。オズマさんも反省してるので治す事は出来ませんか?」
「リリーさんが言うなら聞いてあげたいけど、治した途端に斬られたら意味がないからね。」
「・・・なぁ、ホントに治せるのか?」
「たぶんな。」
するとオズマは土下座をしてくる。
「頼む!俺の腕を治してくれ!報酬は必ず払う!望みをいってくれ!」
「オズマ?」
「頼む!」
「アベルさん、何とかしてあげれませんか、私からもお願いします。」
「・・・リリーさんの頼みなら、わかりました。治療しましょう、ただし、ちゃんと報酬はいただきます!」
「な、なんでも言ってくれ!」
「俺が望んだ時に1度でいいです、命をかけて戦ってもらえますか?」
「わかった、俺の剣に誓って命をかけて戦おう。しかし、そんな事があるのか?」
「今はありませんけど、未来に剣聖の全力を借りれるならいいかと。」
「わかった、いつでも言ってくれ。」
「では、治しますね。」
俺は回復魔法を使い、オズマの腕を治す
「おおお!俺の腕が、リリーちゃん!俺の腕があるぞ!」
「ホントによかったです。」
リリーは嬉し泣きをしていた。
「では、約束を忘れないように。」
「もちろんだ!必ず守る、」
「さて、帰るかな、いろいろ疲れたよ。」
「ちょっと待ってください!」
リリーはアベルを呼び止める。
「アベルさん!」
「あっ、リリーさん、なに?」
「シーマの町には戻って来ないのですか?」
「うーん、貴族になっちゃったからね、王都に住むことになるかな?」
「そ、そんな・・・」
「リリーさん、シーマの町に帰ったらマッドさんによろしく言っておいてね。」
「・・・私も王都に住みます!」
「いやいや、仕事はどうするの!」
「冒険者ギルドか何処かの商会に雇ってもらいます。」
「マッドさんは?」
「大丈夫です。独りで生きていけます。」
「そりゃそうだけど・・・」
「リリーさん、とか言いましたね。」
ユミナがリリーに話しかける。
「はい。」
「あなたはアベルさまのなんなのですか?」
「友人です、今はまだですけど。」
「・・・そうですか、それなら、我が公爵家に仕えませんか?私の侍女として雇って差し上げます。」
「いいんですか?」
「ええ、ただし、正妻は私ですよ。」
リリーはチラッと俺の方をみた後。
「・・・私は友人です。」
「後で2人で話しましょうか。」
「はい。」
そして、俺とユミナ、リリーは公爵家に帰る事となる。
「オズマはどうする?」
「俺は訓練もかねて、しばらく旅に出るよ。何か連絡があれば冒険者ギルドに連絡してくれ。」
「わかった。」
こうして俺たち3人は公爵に帰宅するのだった。
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