第22話 散策

公爵家に滞在するようになってから、3日目、ユミナのもてなしもあり、快適に過ごしていたが、そろそろ町に出掛けたくなってきた。

せっかく王都に来たのに、ほとんど何処にも行ってなかった事に気付いたからだ。

「ユミナ、ちょっと出掛けてくるね。」

「何処に行くのですか?」

「町を散策してくるよ。」

「なら、私も行きます。」

「いやいや、ユミナは簡単には出歩けないよね。」

「大丈夫です。護衛もすぐに用意できますから。」

ユミナの押しに負けて、2人(護衛付き)で散策となった。


「アベルさま、何処に行くのですか?」

「うーん、何せ王都は初めてだからね、何処か見所はないかな?」

「王都の見所と言うと・・・お城ですか?」

「そこは簡単には入れないよ。」

「申請したら入れますよ?」

「ユミナは入れるかも知れないけど、俺は無理じゃないかな?」

「私と一緒なら大丈夫ですよ、行きますか?」

「やめとくよ、貴族様の相手とか遠慮したいし。」

「そうですか・・・なら、大聖堂はどうですか?」

「大聖堂?」

「はい、300年前に建てられたバース大聖堂は荘厳で一見の価値がありますよ。」

「昔、聞いたことあるな。そうか王都に合ったんだ。」

「行ってみますか?」

「そうだね、じゃあ其処に行こうか。」

俺は出発しようとするがユミナは動かない。

「ユミナ?」

「アベルさま、手を繋いで行きませんか?」

「いいよ、はい。」

俺は手を差し出すとユミナは嬉しそうに手を繋ぎ、歩き出した。


大聖堂につくと受付にユミナが向かい。

「ユミナ・フォン・ローエンです、本日は大聖堂内を拝観したいのですが、いれてもらってもよろしいですか?」

「ユミナさま!た、ただいま確認して参ります!」

受付はあわただしく、駆けていった。

程なくして、ダワ枢機卿がやってきた。

「ユミナさま、よくお越しくださいました。本日は大聖堂内を拝観したいとの事ですが、私が案内につかしていただきます。」

「そうですか、では、私とアベルさまの案内をお願いします。」

「ユミナさま、失礼ですが其方の方は?」

「私の大事な人です。」

ユミナは照れながらもはっきり答える。

「そうですか・・・いえいえ、わかりました。それでは案内致しましょう。」

俺達はダワ枢機卿に連れられ、大聖堂内に。

「これは・・・」

俺は思わず息を呑む、大聖堂内は豪華絢爛、他の教会の礼拝堂とは一線をかくす、立派な作りになっていた。

「どうですか、我がシンハン教において最高の礼拝所です。ここで誓った愛は永遠の物と言われております。」

ダワ枢機卿の説明にユミナが・・・

「アベルさま、記念に愛を誓いますか?」

「ユミナそんなに軽い気持ちで誓っちゃダメだよ、ねぇ、枢機卿さま。」

「いえいえ、お二人の愛が本物なら止めることはありませんよ。」

「アベルさま、行きましょう♪」

「ユミナ聞いてた?ユミナがもっと大きくなってからだよ。」

「・・・むー今でもいいのに・・・わかりました。大きくなったらまた来ましょうね。」

「はいはい。」

俺は子供の言う話と軽く受けていた。

「約束ですよ!」

「はーい。」

会話しながら大聖堂を見ていると・・・


魂を吸収しますか?

スキルからの質問がきた。

『はい?なんでここに魂が?』


しかし、スキルは最初の『はい』に反応する。


スキルを習得いたしました。

各種スキルを整理します。

・・・

斧術Ⅱ、剣術Ⅲ、槍術Ⅱ、体術Ⅲ、弓術Ⅲ、回避Ⅲ、気配遮断Ⅲ、神聖魔法Ⅷ、結界Ⅶ、回復魔法Ⅵ、火魔法Ⅴ、土魔法Ⅴ、水魔法Ⅵ、風魔法Ⅳ、探知Ⅳ、鑑定Ⅲ、錬金術Ⅱ、生活魔法Ⅱ、礼法Ⅲ、清掃Ⅲ、料理Ⅳを習得しました。


ユニークスキルを獲得しました。

空間収納Ⅱ、神速Ⅰ、聖域Ⅴ、魔力回復Ⅳ


聖人の魂を吸収した為、

ソウルイーターがレベルⅡに進化します。

残り魂128


魔法系が軒並み向上した。


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