第2話厄介な魔物

シャルノは少年に応接間へと促し、彼が向かいに置かれたソファーに腰をおろしたのを確認し、本題にはいる。


「本日はどういったご用件で?」

「友人の傷を治す薬がほしいんですっ!冒険者をやっていて、ブリザードバーフィッドに深傷を負わされて今にもっ──」

用件と共に、バンッ、と大きな音をたて机を叩き、身を乗り出す少年。

少年の険しい表情と物騒な魔物モンスターの名前に腕を組み、低く唸ってしまう彼女。

「ブリザードバーフィッドっというと......相当な凄腕冒険者が討伐する魔物モンスター──Aランク冒険者、或いはSランク冒険者しか対峙出来ない......貴方の友人のランクは?」

「Aランクです......でもパーティーで挑んでっっ......」

唇を噛み締め、太腿に置いた拳を震わせ俯く少年。

「貴方の友人は何処に居るのか教えてください」

「──え......あっはいっ、──なんですけど、フシューノから距離がだいぶっ──」

「ご心配なく。貴方はご自宅に戻って友人の帰りを待っていてください。必ず貴方のもとに友人の元気な姿を──」

そう言い残し、彼女はソファーから立ち上がり応接間を抜け、少年を置き去りに薬屋を後にした。




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小柄な美少女が働く薬屋は何でも屋になりつつあって、身が持たない! 闇野ゆかい @kouyann

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