game 6:森の明かり ボードゲーム紹介

 こんにちは。かど八降やつふるです。

 今日紹介するゲームは『森の明かり』です。


 霧に閉ざされた暗い森の中で、小さな明かりを頼りに宝探しをする。

 子供の冒険心をくすぐる設定のこのゲームの特徴は、なんといってもそのコンポーネントだと思います。

 透明なシートには黒いインクで財宝が印刷されていて、並んだ黒いタイルの上に置いて、さらに上から半透明の白いシートを被せたら、そこにどの財宝があるのか判別がつかなくなってしまいます。

 そこに下から白いタイルを差し込めば、その白いタイルの上にある財宝が浮かび上がるという仕組みです。

 こうやって、どこにあるのかわらかない財宝を早い者勝ちで探し当てるゲームです。


 ルールは単純な記憶ゲームで、プレイ感は神経衰弱に近いです。

 最初はどこに何があるかもわからず、手探りで少しずつしか進めないのですが、そうやってだんだんとどこにどの財宝があるかわかってくると、展開が一気に加速します。

 移動する前に財宝の名前を一つ宣言して、移動した先にあるのが見事その財宝ならもう一歩進めるので、どこに何があるのかだいたい把握できてくると、みんなどんどん何歩も進んで財宝を見付けて、あっという間にゲーム終了です。


 それだけなら話は単純なのですが、他のプレイヤーによって自分のタイルが押されて動くこともある、というのが良いアクセントになっています。他のプレイヤーに押されることで目当ての財宝を見付けた場合、自分の手番でなくても財宝を手に入れることができます。

 このルールによって、まっすぐ進めば目当ての財宝があるのにその手前に他のプレイヤーがいるから回り道をしないといけない、などと考える必要が出てきます。宣言に成功し続ければどんな回り道でもどれだけでも進むことができますが、道が長くなればなるほど、自分の記憶に自信がなくなってきたり、うっかり名前を間違えたり、まるで長い魔法の呪文を覚えているような気持ちになります。

 最初は一歩進むのがやっとだったのに、後半にはどこまでも進めるような気分になって、本当に魔法が使えるようになったんじゃないかって気持ちになれる、そういうところが面白いゲームです。




 このゲームは、DREI MAGIERドライ マギアというドイツの会社のゲームです。

 有名なところだと、心理戦を足したチェスのような『ガイスター』や、嫌われ者の虫を押し付け合う『ゴキブリポーカー』などが、この会社のゲームです。


 今回紹介した『森の明かり』のように、凝ったコンポーネントのゲームも多く作っています。

 例えば『魔法のラビリンス』というゲーム。箱の上から蓋をして、その蓋をボードにして駒を動かして、ゴールまで辿り着く、というゲーム。

 そのボードにはマス目は描いてあるけれど、壁はなく真っ平らです。ゴールはすぐそこ、簡単に辿り着けそうに思えるのですが、そう簡単にはいきません。

 そのボードには「見えない壁」があります。もし道の途中で見えない壁にぶつかったらスタートからやり直しです。

 実は、駒の下には磁石が付いていて、ボードを挟んで金属球がぶら下がっています。さらにはボードの下に壁があり、うっかりその壁を越えようとすると、その金属球が落ちてしまうという仕掛けになっています。

 この「金属球が落ちる」のが、うまく見えない壁を表現していて、遊んでいると本当にそこに見えない壁が存在するような、本当に魔法の迷路に迷い込んだような、そんな気分になれます。




 どちらもとてもシンプルなルールですが、霧の森や魔法の迷路などの魅力的な舞台設定と、その設定を最大限に表現したギミックのコンポーネントが面白いゲームです。

 手に入りにくいかもしれないのですが、もし見かける機会があれば、ぜひ実物を動かしてみてください。




『森の明かり』


・プレイ人数: 2人〜4人

・参考年齢: 5歳以上

・プレイ時間: 20分




『魔法のラビリンス』


・プレイ人数: 2人〜4人

・参考年齢: 6歳以上

・プレイ時間: 20分






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