game 5:御朱印あつめ ボードゲーム紹介

 こんにちは、かど八降やつふるです。

 今日は、お寺ボードゲーム『御朱印あつめ』を紹介します。


 このゲームは、その名前の通りに御朱印を集めるゲームです。

 御朱印というのは、お寺や神社で参拝した際にもらうことができるいんのことです。元々は、写経を納めた時の受付印から始まったのではないか、と言われているそうです。

 今でも写経をしないと御朱印をいただけないお寺もあるそうですし、逆に納経の受付はしていないお寺もあるそうです。この辺りは俺も詳しくないので、らしいです、としか言えません。


 そんな「御朱印」を題材にしたこのゲームでは、その御朱印をいただくために、みんなで写経を納めます。しかも、どの御朱印も、その時に一番長い写経を納めた人だけが御朱印をいただくことができる、という仕組み。

 そうやって集めた御朱印の種類と並びによって、最後に点数が決まって、このゲームの勝者が決まります。

 御朱印の組み合わせでできる「役」も、きちんとこの『御朱印あつめ』の世界観を物語っていて、面白いです。よく並んで安置されることの多い仏さまを三枚集める『アミダサンゾン』『シャカサンゾン』や、曼荼羅の中央に配する大日如来にちなんだ『マンダラ』など。

 そんな風に、役が揃うように、自分の御朱印帳の点数が高くなるように、御朱印を集めていきます。けれど、御朱印のほとんどは一枚ずつしか入っていません。出会いは一期一会。どの御朱印をいただいて、どの御朱印は他のプレイヤーに譲るのか。

 そして御朱印をいただく一回一回は、お互いの御朱印帳の並びと手元の写経を見ながらの競り──どれだけ高値をつけられるかの勝負が繰り広げられます。

 題材のインパクトだけでなく、しっかり遊べるところも、このゲームの魅力ですね。


 コンポーネントもとても丁寧な作りで、御朱印カードは大きめで厚みがあって、思わず並べたくなってしまいます。一枚五点の特殊札は、黒い厚紙に金の箔押しで、存在感と特別感に圧倒されます。

 御朱印カードの文字は、本職のお寺の方でもある企画者が書いたものだそうで、そう思うと、競り落としてカードをいただく時に、思わず手を合わせたくなってしまう有り難さ。

 それに紛れ込むはずれカードが、『冷やし中華はじめました』や『悪霊退散』など、ちょっと面白い感じに作られているのも、俺は好きです。

 御朱印帳の表紙を模したプレイヤーボードは綺麗な布張りで、とてもしっかりした作りなので、これもプレイの満足感にとても貢献していると思います。


 本職のお寺の方が企画して作ったゲームですが、元々はお寺や仏教に親しんでもらおう、というところから始まったそうです。

 ルールブックにも「御朱印のいただき方・見方」というコラムがあったり、カード一覧にはこのゲームに登場する仏さまの説明も書かれていて、そういうところも面白いゲームだなと思います。

 遊ぶと実際に、御朱印をいただきに行ってみようかな、なんて気持ちになりますね。行く時はもちろん、初穂料(御朱印は購入するものではなく、いただけるもの。それに対するお礼、ということみたいです)をお釣りのないように用意して、きちんとお参りをしてからいただきましょう。お参りもせずに御朱印だけいただく、というのはとても失礼なことだそうです。

 また、御朱印を受け付けているかどうか、どのような形で受け付けているかはお寺によっても違いますし、普段は受け付けていても忙しい時は対応が難しいこともあるみたいなので、無理は言わずに、感謝の気持ちを忘れずに。

 ゲームがきっかけで、こうやって世界が広がるのも面白いですよね。




『御朱印あつめ』


・プレイ人数: 3人〜4人

・参考年齢: 10歳以上

・プレイ時間: 30分






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