帰宅

ショウは改めてミシアに頭を下げた。

ショウ「今回は、本当に世話になった。恩に着る。この礼は必ずさせてもらう。助けが必要なときは、遠慮なく呼んでくれ。すぐに駆けつけよう」

ミシア「こちらこそ、昔助けてもらった恩返しが少しでも出来て良かったです」

ミシアとショウは握手した。


ミシア「それに、チャーリー君も元気になって」

チャーリー「…うえーん、ミシアおねえちゃん、もっと遊ぼうよう!」

チャーリーは泣いて別れを悲しんでいる。

ショウ「ほらチャーリー、ミシアさんを困らせたらいけないぞ」

ミシアはチャーリーの頭を撫でた。

ミシア「またいつか遊ぼうね。なんだったら、甘いはちみつ亭に来てくれてもいいよ」

チャーリー「うん!ぜったい行く!」


ショウとチャーリーの両親であるバーリーとソーファーも頭を下げた。

バーリー「娘ともども、お世話になりました」

ソーファー「本当にありがとうございました」

ルディア「いえ、お力になれて良かったです」

アーキル「まあ、オレたちの手にかかれば、どうって事なかったがな!」

コノハ「なによ、嫌がってたくせに」


タニア「あーあ、もう終わりかぁ。もっと遊びたかったな~」

タリア「でも、甘いはちみつ亭が恋しくなってきたような気もするし」

ミシア「そろそろ帰らないと、サティやスカリィ達が怒り出すかもね」

ライラ「おみやげを~たくさん、持って帰らないとね~」


ローラ「皆さん、ありがとうございました。是非またお越し下さい」

ケニー「こちらこそ、お世話になりました。機会があったら、またよろしくお願いします」


ミシアたちはラリル村を出た。

道を数歩進んだところで、ミシアは立ち止まって振り返った。

両足を肩幅くらいに開いてどっしりと道のど真ん中に立ち、拳を腰に当て、胸を張る。

ミシア「ボクが!甘いはちみつ亭の看板店長、ミシア!です!」

すかさずタリアとタニアがミシアの両側に片膝をついてしゃがみ、両手をミシアの方に向けてひらひらと振る。

ミシア「まったねー!!」

ミシアは両腕を振った。


ショウ「ああ、また会おう!」

ショウパーティーのメンバーやチャーリーの家族たち、ラリル村の村長ローラや旅館『レ=ローラ』の従業員たちも歓声と共に手を振る。


惜しみ惜しまれながら、ミシアたちはラリル村に背を向けた。



(第4巻―コノハ編―へ続く)

https://kakuyomu.jp/works/16816927861958923183

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深痕のミシア ―3.海水浴編「あの人が、あなたを助けてくれた冒険者よ」― 真田 了 @sanada-ryou

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