エピローグ

 その翌日。

 家に引っ越し業者がやって来た。

 わたしの過ごした部屋は荷物のほとんどが運び出されて、がらんと寂しくなっている。

結良ゆら! そろそろ出発するでしょ? 支度しなさい」

「はーい」

 わたしは母さんの声を聞いて、すぐに玄関を出て車に乗ろうとしたときに理央が来たのに気がついた。

「理央! 来てくれたの?」

「うん。俺もがんばるから、お前も大学生活を謳歌してこい!」

 理央はそう言ってハイタッチした。

 そのまま車に乗ると、理央は音楽教室の方向へと自転車で走っていった。

「結良。乗って」

「うん……そろそろ出発しないと、間に合わなくなるよね?」

 わたしは車に乗ると母さんの運転で横浜へ出発した。

 これからの大学生活は楽しくなりそうだった。

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春の夜と音色 須川  庚 @akatuki12

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